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2017年10月26日(木)

ドイツで見た森林環境教育最前線

本日はドイツへ「森林環境教育」を学びに行ったエンジニア科学生2名、クリエーター科学生4名、そして引率としての萩原ナバ先生によって、在校生や教職員へのドイツ報告会が開催されました。

この学生たちに対しては森林文化アカデミーから渡航経費助成がありました。

目的の地はドイツのバーデンヴュルテンベルグ州で、本校が連携協定を結んでいるロッテンブルク大学のフックス・オットマー教授が森林環境教育の最前線を訪問して来ました。

今回は学生一人一人が印象に残ったドイツの一枚をメインに紹介してくれました。

最初の報告者は立山さん。

彼女のお勧めはBare foot Park、なんと森の入り口にロッカーがあり、そこに靴を預けて裸足で森の中のトレイルを歩く。

歩道は小石を敷き詰めた場所、松ぼっくりを敷き詰めた場所、冷水の中、ドロドロな濁水、土の道など。その中で最も気に入ったのが、ガラスの破片を散りばめた小径。この近くに有名なガラス工房がたくさんあるからとのことでしたが、その美しさに感動したそうです。

二人目の野田さんはWald Schulheinという青少年の森の家。

ここは5年先まで予約で一杯の施設ですが、フックス教授のお陰で、研修を受けている小学生たちに紛れ込んで宿泊研修を受けました。ここでは弓矢による鹿狩りのシューティングをしていたのですが、どうして狩猟する必要があるのかを学びながら、狩猟の疑似体験につながる宿泊体験をしていたそうです。

3番目は猛禽類をこよなく愛する谷さん。

彼はHaus Des Waldesという森の家。屋内空間と屋外空間が連続しており、屋内はシュトッツガルトの都市ゾーン、森のゾーン、世界の現状ゾーンの3つに別れている。とにかくあらゆる展示の発想が目新しく、来客者自身が自分のペースで学べることに感動した。

4人目はエンジニア科の須藤さん。

彼はドイツのForesterの活動に感動していました。とにかく格好いい。

それは服装も所作もすべてにおいて憧れる存在であり、林業の必要性や木の魅力を伝えるだけでなく、法律でもフォレスターが環境教育指導することが明記されていることにも感動。

5人目はエンジニア科の平川さん。

彼はElzentorというユースファームに感動。是非、こうした施設で働きたいと感じたそうです。この施設は移住してきた夫婦が始めたものに行政がバックアップし、運営されており、年上の子どもが年下の子ども面倒見ながら乗馬などを実施。様々な野外体験ができる学びの場に感動したようです。

6人目の多田さんは、なんと言っても「フックス教授との出会い」に感動したそうです。

フックス先生は道具が無くても、その場にある何かを使ってすぐに環境教育につなげられる魔術師。

例えば一本の枝を拾って、あなたなら何をしますか? 今後ドイツと日本で「一本の枝を使って実施するプログラム開発」を目指すそうです。

最後にナバ先生。

ここでは様々紹介された中で、「人力チェンソー」について紹介。人が自転車のペダルを漕ぐように回すと、チェーンが動いて丸太が切れる。子どもたちはこうした体験に夢中になる。

他にも、森林養鶏では、森林内に薪用のポプラを密植させ、その下で採卵用の養鶏を行えば猛禽類の攻撃も受けにくいとのこと。

またバーデンヴュルテンベルグ州にはWald Schulhein(青少年の森の家)が4施設もあること。

そしてロッテンブルク大学の学校内の森林には、樹種によって重さ(比重)が違うことを体験する施設も醸成されている例なども紹介。

面白いのは、バーデンヴュルテンベルグ州に生息するシカ3種の重さがどれほどかを体験するものも屋外に設定されていたそうで、同行した学生がチャレンジしていました。

他にも最新の環境教育施設Wald Boxというトレーラーハウスも紹介されました。これは森林活動から、薪による湯沸かし、ピザづくりなどのセットが組み込んであったそうです。

さて、今回紹介していたフックス教授ですが、11月には森林文化アカデミーーに来られる予定です。是非、フックスさんの神技にふれたい方は予定しておいてください。

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。