活動報告
2019年08月08日(木)

「林業事例調査」in 三重

7月29日、30日の二日間、クリエーター科・林業専攻は「林業事例調査」として、伊勢神宮、ウッドピア松坂、速水林業、宮川森林組合を見学しました。

 

~第1日目(7/29)~

AM10:45~伊勢神宮

はじめに訪れたのは皆さんご存知の伊勢神宮!

今回はお参りをしに来たわけではなく(結局しましたが)…内宮の植生と建造物を見に行きました。植生は主にスギ・ヒノキ・アカマツ・クスノキなどが巨木としてあり、サカキ・アセビ・トベラ・マンリョウなどが低木としてありました。また正宮に近づくにつれて下層植生が豊かになっていたと感じました。

 

建造物も興味深いものが多くあり、例えば御稲御倉(みしねのみくら)と呼ばれる倉や休憩所などに用いられている材木が大きいにも関わらず無節であったことにみんな驚いていました。

 

 

 

PM02:30~ウッドピア松阪

伊勢神宮を後にした私たちは、松阪市にある木材コンビナートのウッドピア松阪に行きました。ここでは原木市場と製品市場、製材工場に内装材工場などを見学しました。原木市場は毎週水曜日に開かれており、年三回開かれる原木市場全面を使った特別市が全売り上げの半分を占めるそうです。ちなみに映画「Wood Job!」のロケ地でもあります。最初に見せてもらったのは合板用の原木置き場で、去年近くに合板工場ができたこともあり、取扱量が増えたそうです。

また原木市場に隣接しているボイラー室は、原木の樹皮やウッドピア内で出る端材を用いて材の乾燥に利用しています。これにより重油の使用量が激減したそうです。

 

 

次に製品市場ですが、こちらも毎週水曜日に市場が開かれています。ここには全国から取り寄せたスギ・ヒノキを中心にした製品が多くありました。その中にはケヤキやトチノキの一枚板もあり、とても目を惹かれましたが、広葉樹の取扱量は全体の5%未満だそうです。

 

製品市場の次は製材工場を見学し、ここでは原木を大型の加工機で製材していました。

また、内装材工場も見学させていただきましたが、ここでの写真撮影は禁止だったので簡単に工程の概要だけ説明します。

  • 桟積工程…製材所から仕入れた原板を検品し、良・不良に仕分けて積み込む工程。良材は均一に乾燥させるために桟にしておく必要があるそうです。
  • 節埋工程…死節や抜節を人口節で埋める工程。直径15mm~30mmで深さ8mmの穴を開けてボンドを用いて人口節を接着させます。
  • UV塗装…紫外線の照射によって塗料を硬化する工程。調湿機能や風合いがウレタン塗装よりも損なわれないそうです。
  • 厚密加工…高温ローラーで木材の表面に圧力をかける工程。ヒノキの場合は5倍、スギの場合は2倍の硬さを得ることができ、6台の高温ローラーの高さを少しずつ低くし、独特の凹凸をつけます。

以上が大部分の工程です。

 

その次は羽柄材工場へ。ちなみに羽柄材は構造材以外に使用する比較的断面の小さい部材のことです。ここでは機械が木材を自動で加工しており、プログラムによって寸法も自由自在にできるそうです。下の写真は横架材加工機と呼ばれる機械。工務店で設計された図面通りの加工をしている最中。

最後に天然乾燥をしているところで、主にスギの建材を約1年屋外で乾燥させています。高温乾燥に比べ、材を挽き直すことにより香りがより引き立つそうです。割れている材もありましたが、これは気に入る人にだけ売っているそうです。あくまでここはハウスメーカーの大量発注ではなく、香りを残したいユーザー向けの個別発注を承っているそうです。

見学後にはウッドピアの工藤さんによる質疑応答が行われ、工藤さんには丁寧に返答をしていただきました。

 

 

~第2日目(7/30)~

AM08:30~速水林業

二日目の最初に訪れたのは紀北町の速水林業さんです。ここは尾鷲ヒノキで有名な日本屈指の林業地であり、この地で200年以上前から林業を営んでいます。

代表の速水亨さんは日本の林業界で常にリーダーシップを取っている存在です。今回の見学ではその速水さんから様々なことを教えていただきました。はじめの質疑応答では「林業のことなら何でも答えるから。」と言ってもらい、様々なことを聞くことができました。

 

 

質疑応答が終わった後は林業機械の修理工場を見に行き、どのようなものがあるのか、どのように修理しているのかを教えていただきました。速水さんはこのときに私たちに対して、「林業家は溶接もできないといけないよ」ともおっしゃられていました。その言葉から私たちは、仕事に対する姿勢を感じさせられました。

その後には林内を散策し、新国立競技場で使われる材を出した森や400年の森作りの現場を見学させていただきました。また道中では特注の検土杖を用いて下層植生の有無によっての土質の違いや樹皮の年輪について説明していただきました。

 

最後には代々速水林業さんの管理に携わってきた川端さんから、意外な丸太の需要の話や挿し木苗について説明していただきました。

 

 

PM02:00~宮川森林組合

林業事例調査の最後は大台町の宮川森林組合さんを訪れました。宮川森林組合さんではどのような施業をしているかを職員の岡本さんから話していただき、特にパッチディフェンスと他業種とのコラボなどがとても興味深かったです。またパイオニア種の低木を日よけのために植栽し、目的の樹種を強い日差しから守る話なども印象に残りました。

 

 

報告:大西洋聡・早坂光司(クリエーター科 林業専攻 1年)

 


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