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2017年07月02日(日)

「ぎふ木育指導員養成講座」がスタートしました!

6月24日土曜日 岐阜県図書館にて「第2期ぎふ木育指導員養成講座(全8回)」がスタートしました。

倍率4倍という難関をくぐり抜けてこられた精鋭10名の皆さんです。

松井先生の定番「何の木テスト」に取り組む受講者の皆さん

 

 

この講座は、認定NPO法人芸術と遊び創造協会が岐阜県から受託事業者として、さらに岐阜県立森林文化アカデミーの「森と木のオープンカレッジ」の事業として実施しています。そのため、森林文化アカデミーの学生は講座運営の実践授業として、ぎふ木育指導員1期生の方も向かえる側の学びの場(スタッフ)として参加させていただいています。実は、ここにこの講座ならではの大きな特徴があります。それは「学び合う」「学び続ける」という点だと私は考えます。受講者とスタッフという立場ではなく、今後岐阜県の「木育」を支えていく同志として共に考え、共に学ぶ・・・そして今期の講座だけでなく学び続けることができるのが、この講座の何よりの魅力ではないでしょうか?

 

記念すべき第1回目、ぎふ木育指導員スタートアップⅠ~ぎふ木育30年ビジョン・木育・おもちゃ美術館~は3名の講師による講話です。

お一人目は岐阜県木育推進室、藤掛雅洋室長による「ぎふ木育30年ビジョン」についてのお話です。なんでも、木育に特化した「木育推進室」は全国唯一だそうで、日本唯一の室長のお話ですから期待も高まります!

ぎふ木育30年ビジョンについてレクチャーする 藤掛木育推進室長

「木育とは何なのか?」という問いかけで始まりました。「色々な考え方がある」そして「多様性が大切」と話されました。さらにこんな例えをしてくださいました。「目的地が東京だとして、東京まで行く方法はいろいろある。行き方が違えば見る景色、出会う人など全てが違ってくる。それでいいのです・・・」この例えが私には、なるほど…とすんなり心に入ってきました。自分がいいと思う方法で、方向で、自分なりの「木育」を大切にしていけばいいのだな…と心が軽くなりました。

 また、日常を意識することが大切であると繰り返されました。車の窓を開け外の匂いを感じる、部屋で育てている観葉植物に水をやる・・・日常の中で自然や森を感じる…それが大切なのです…と。

 「今日は新月だったので、夜中から森の中でじっとしていました。」という話には会場の誰もが驚いていましたが、常に実践を怠らない室長のお話はじんわりと心に響きました。

 

 

続きましては森林文化アカデミー松井勅尚先生による「木育ワークショップ」です。皆さんの緊張をほぐします。自己紹介から始まり、クリエーター科1年生のスタッフが採取してきた本物の葉っぱの名前を当てるゲーム?でアイスブレイクです。普段森に近いところで生活されている方も「う~ん・・・これは何の葉っぱだろう」と悩んでいました。アカデミー学生スタッフにとっては日ごろの学びの成果を発表する場となりました。

「何の木テスト」や木材サンプルとも連動した葉っぱのアイスブレイク

 

午後からは松井先生の講話です。

テーマは「森と人をつなぐ木育」。松井先生のお話は、「日本人としての考え方」を深く掘り下げ、私たちはこれからどうあるべきか・・・?と訴えかけます。日本人の考え方=選択は日本の自然に育まれてきたものであると先生は言われます。四季があるのは日本に限ったことではないと思いますが、日本人のように四季の移ろいを心や体で感じ、自然に存在するもの全てを「神」として祀る民族は少ないのではないでしょうか。お正月に神棚だけでなく、床の間、台所、お手洗いなど家の中のいろいろの場所にお鏡餅をお供えする我が家の光景を思い出し、意識することの大切さと、「いろいろ」であることの重要性を感じました。

「何の木テスト」の答え合わせも交えレクチャーする 松井先生

 

 また、日本人の考え方や行動の基準として「結界石」を例に出されました。寺院等で見かける、「立ち入り禁止」を示すための石のことです。柵やロープなど張らず、石が置いてあるだけなのに、結界石の役割を知っている人は立ち入ることはしません。その場所が大切にされている場所だと分かるから、入らないのです。それが日本人の持っている「心」。つまり考え方だと思いました。「心」があるから「行動」になる。松井先生がお話の初めで言われた「心が動ければ、からだが動く」。ぎふ木育を支えていくのは、心が動いた人による行動にかかっているのだ・・・ということを松井先生のお話から感じました。

 

 

最後は東京おもちゃ美術館副館長の星野さんの講話です。

 星野さんは、少し視点を変えて木の最終の形の一つである「おもちゃ」を切り口としてぎふ木育指導員としての意識に繋がるお話をしてくださいました。

 東京おもちゃ美術は「時間の寄付」+「お金の寄付」から成り立っている市民立の画期的な美術館であるそうです。時間の寄付とはボランティアのことです。コンセプトは『親子で楽しむ多世代交流の美術館』。この「時間の寄付」と「多世代交流」は、これからできる「森の恵みのおもちゃ美術館()」やぎふ木育指導員にとって重要なキーワードなのだと思いました。

木のおもちゃも持参しレクチャーする 星野東京おもちゃ美術館副館長

 「おもちゃは子どもが生まれて初めて出会う芸術品」という言葉を残されたのは芸術教育研究所を創設された、東京おもちゃ美術館館長の多田さんのお父さん。「おもちゃには芸術の5ジャンル・・・建築・音楽・文学・絵画・演劇を担う力があり、木のおもちゃには五感・・・視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚を刺激する力がある」とお話しながら星野さんは、実際のおもちゃを手に、遊び方を披露してくださいました。会場の人たちから「お~」という歓声があがります。おもちゃには、驚きや発見、成功体験やチームワークを共有できるだけでなくさらなる可能性を生み出すということを、少しだけ体感することができました。

 子どもたちに何をどう伝えるか?どう伝えるかによって、子どもとの距離を縮めることができ、大人もちょっと楽しい気分になれる・・・おもちゃは子どもの為だけのものではなく、そんな素晴らしいアイテムであることを感じることができ、それを意識できた私たちが伝えていくことの大切さについて考えることができました。

  

受講者の方からの積極的なご質問も飛び交い、充実した一日となりました。

 

今回は、木育に関心の高い大学生と、岐阜農林高校の生徒が研修として一緒に受講されたのですが、講座終了後のスタッフ振り返りの中で、葉っぱの名前を見事言い当てた現役高校生と、材となった木の名前を当てた保育士さんの交流がとても興味深かったというお話が出ました。お互いの得意な分野で補い合い楽しく交流する姿・・・これがまさに多世代間交流の姿なのだな・・・と思い、またこの姿を私たちスタッフ側も受講者の方々もそれを意識していくことが大切であるのだと思いました。 

 

最後に、3人の講師の先生方はそれぞれ別の分野から「木育」についてのお話をしてくださいました。しかし、お三方に共通したのは、「私なりの・・・」という言葉です。この言葉は最初に話された藤掛室長の「木育には色々な考え方がある」という言葉に繋がるものであり、「多様性」に繋がっていくと思います。私自身、アカデミーに入学し木育を学んでいて自分では理解していると思っているのですが、それをどのようにわかりやすく伝えていくか・・・ということに苦心していた時だったので、講師の先生方のお話がとても大きな気づきとなりました。受講者の方たちもきっと同じように感じられたのではないでしょうか?

 クリエーター科2年 吉田 理恵

キーワードは 「ダイバーシティ(多様性)」 。次回は場所を森林文化アカデミーに移し、スタートアップⅡとして、さらに「森」「子育て」という視点を加え、森や木との繋がりを考えていく概論研修です。2人の講師を迎え、森のようちえんや木育に力を注ぐ実践園も見学します。

「第2期ぎふ木育指導員養成講座(全8回)」講座主任 松井 勅尚

 

 

 


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