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2017年07月01日(土)

林業実務者が木造建築を学ぶ!?・・・岐阜県地域森林監理士養成研修

本日、私は研修のダブルヘッダー(10:00~17:00【専門技術者研修「木造建築の構造性能検討ツール演習」】、18:00~21:00【岐阜県地域森林監理士養成研修「マテリアル(建築)」】)でしたので、先のブログに引き続き、もうひとつ研修実施の御報告をさせていただきます。

岐阜県では、本年度から、地域における森林の管理及び経営に必要な専門的知識を有し、市町村行政の支援や民有林経営への助言等を行う人材として、「岐阜県地域森林監理士」を養成・認定していきます。この養成研修について、森林文化アカデミーにおいて実施することとしています。

 

本日の岐阜県地域森林監理士養成研修は、研修No.11「マテリアル(建築)」です。この研修では後日、先進的な木造建築物(CLT材利用の建築物)の視察も予定しています。

岐阜県を代表する林業実務者の方々が木造建築のことを学ぶというのも不思議な感じはしますが、木材利用量の最も多いものが木造建築ですので、利用の状況を知ることは売り手にとって大事なことだと思います。

そういえば同様に、長野県林業大学校の学生さんも木造建築のことを学ぶ授業を毎年アカデミーで実施しておりますし、もちろんアカデミーのエンジニア科については木造建築をしっかり学ぶ授業科目(建築系の大学や専門学校などでは木造建築を学ぶ授業は非常に少ないので、一般的な建築系学生さんよりも深い木造建築の知識が学べます。)が設定されています。林業実務者にとって木造建築に関する基本的な知識が必須の時代になってきているのでしょう。

研修生となった5名が出席して、研修を実施しました。木造建築の構法に関すること、木質建材に関すること、木材の設計強度に関することなど研修しました。活発な質疑応答になり、皆さん熱心に受講されていました。

 

木造建築のことを熟知した林業実務者が活躍し始めると、・・・木材を買う建築側からしたら脅威となりそうですが・・・森林から出てくる岐阜県産木材に付加価値をつけて売ることができるようになりますね。

先ほども述べましたが、建築系の大学や専門学校などでは木造建築を学ぶ授業は非常に少ないので、一般的な建築系学生さんよりも深い木造建築の知識を林業実務者が身につけたことになります。

私が担当する岐阜県地域森林監理士養成研修は、本研修「研修No.11マテリアル(建築)」(研修2回)の他、「研修No.13木材流通(マーケットリサーチ)」(研修4回)の合計6回実施予定です。

 研修担当:准教授  小原 勝彦