【視察報告】ドイツ・オーストリアの林業と林産業を視察しました ①テュービンゲン市街視察
木造建築専攻・講師の石原です。
今月(10月9日~18日)、岐阜県森林技術開発・普及コンソーシアムの視察(『ドイツ・オーストリア森林・林業視察』)に、本校クリエーター科の木造建築専攻の学生3名(2年生、坂巻・畑佐・髙木)と帯同させていただきました。
本視察から学んだこと等について、学生3名からブログにて連載、報告させてもらいます。
初日の視察(以下)については私から報告いたします。
※視察の行程については記事の末尾にまとめました。
【視察1日目】テュービンゲン旧市街地
視察初日は、ドイツ南西部のバーデン=ヴュルテンベルク州(BW州)の中央部に位置するテュービンゲン(チュービンゲン)市を視察しました。
テュービンゲンはドイツの最古の大学である「テュービンゲン大学(正式名:エバーハルト・カール大学テュービンゲン)」が所在する都市で、人口約9万人のうち3分の1が大学関係者で占められる学園都市です。

テュービンゲン大学の日本学科で講師を務めるハイケ先生に案内をしていただきました。


世界大戦の戦禍を免れたこともあり、市街地は中世(15世紀)の建物が多く残ります。
そして、ほとんどの建物が改修されながらあらゆる用途に現役で使用されています。

テュービンゲン市役所も15世紀の建物です。

こちらの市役所支所はもともとは倉庫だったそうです。使われている木材はナラ材で、樹齢800年ほどのものを使用しているとのこと。

この建物、込み栓の頭がカットされていないのですが、“味のある”意匠に思えます。

このあたりはもともと広葉樹林だったそうで、古い建築物は広葉樹材が使用されています。
一般的に広葉樹は曲がりが大きいので、短材を組み合わせて躯体を構成しているのが特徴的です。

広葉樹の曲がりをそのまま生かしたデザインもおもしろいです。

テュービンゲンの古い建物は、階数が上がることに、道路側に張り出していくのが特徴です(構造的には合理性の無い様式ですが・・・)。
建物にかかる税金が1階部分の面積で決められていたことも影響しているとのこと・・・。

市街のあらゆる建物がテュービンゲン大学のキャンパスになっています。こちらの建物も大学施設です。


テュービンゲン城も大学の施設となっており、美術系や人文系の研究室が入っているそうです。
同大学には明確なメインキャンパスはなく、まさに町全体がキャンパスといった感じです。

市街を流れるネッカー川で舟に乗らせてもらいました!この舟も大学のものだそうです。

・・・船頭さんはハイケ先生の旦那さんです(本職は地質学者だそうです)。

テュービンゲン、どこを切り取っても絵になる風景でした。
街の美しさはもちろんですが、歴史ある街と大学が一体となっている点は非常に興味深く、
本校と美濃市との関わり方についても参考になるように思いました。
【行程と視察場所の概要】
10月9日(日)移動日(中部国際空港発)
10月10日(土)移動(ドイツ・フランクフルト国際空港着)およびBW州の文化を学ぶ
・チュービンゲン旧市街の木造建築等 視察
10月11日(日)ドイツにおける自然保護の考え方を学ぶ
・「均衡措置」の実施現場 視察
・ヴルムリンガー礼拝堂周辺・ロッテンブルク旧市街 視察
10月12日(月)ロッテンブルク林業大学・演習林を見学
・講義「私有林と助成金」聴講
・学内施設の見学,木材利用の研究紹介
・ロッテンブルク林業大学演習林 視察
10月13日(火)製材工場・製材機械メーカーについて学ぶ
・製材工場(Echtle社)視察
・製材機メーカー(Linck社)視察
10月14日(水)林業現場技術者養成と作業システムについて学ぶ
・現場技術者養成機関 視察
・州有林管理企業(ForstBW)による部分機械化方式による森林施業 視察
10月15日(木)移動日(ドイツ・BW州→オーストリア・ザルツブルグ州ピンツガウ)
10月16日(金)急傾斜地における森林経営を学ぶ
・オーストリア連邦森林(ÖBf)ピンツガウ森林管理署 訪問
・タワーヤーダーによる架線集材現場 視察
10月17日(土)移動日(ドイツ・フランクフルト国際空港発)
10月18日(日)移動日(中部国際空港着)
なお、全行程においてロッテンブルク林業大学大学院の小原光力氏に通訳・アテンダントを担当していただきました。ここに、深甚なる謝意を記します。
講師 石原 亘