森と木のクリエーター科木工専攻
卒業生の進路

富張 菜々子

地域の木で器を作ってお客様に届け、ワークショップで作る楽しさを伝える

木の器を挽く富張菜々子さん

プロフィール

1988年生まれ、岩手県岩泉町出身。木工専攻10期生。工房とみはり主宰。
卒業後は、岩手へ戻り木製食器(大野木工)を製造する会社へ勤務。その後、宮城県大崎市鳴子温泉にて工房を構え、主に挽物を製作しながら、木に親しんでもらう活動の一環としてワークショップも行う。
 

ウェブサイト: https://kobotomihari.com/


質問1)今の仕事内容を教えてください。

工房とみはりという屋号で、東北(主に宮城・岩手)の広葉樹を丸太で仕入れ製材し、木工轆轤で器を作ることをメインに仕事をしています。自分で木の器をデザイン・製作をする仕事、お客様や塗師のオーダーの木地を挽く仕事をしています。

各地のクラフトフェア、ギャラリーでの展示会、宮城県内の伝統的工芸品展への出展、地域の漆器展などで展示販売しています。

本業のほかには、こども向けや市民活動の一貫としての木工ワークショップをしたり、鳴子漆工芸会に所属し全国こけし祭り・漆器展でスタッフをしたりしています。

木の器

 

質問2)今の仕事で大変だなと思うことと、やりがいを感じることを教えてください。

自己責任なので、仕事のタスク・納期管理の難しさを感じることがあります。製作を進めていって、出来上がる寸前に虫食いや節にあたったときは少なからずショックを受けます。

やりがいは納品してお客様に喜んでいただくことです。器が修理で送られてきて使っていただいた日々が見えるのもうれしいです。丸太を仕入れに行くこともとても楽しいです。

 

質問3)今の仕事を通して社会にどんな貢献をしていると感じますか?

器を使うお客様から「ほっとする時間をありがとう」と言っていただいています。

木という素材を身近に手にする機会が減ってきている中、その機会を少しでも増やすことができていて、そのことが環境負荷の少ない素材選びや、自然環境への理解へつながっていったら良いと思います。また木地を木工轆轤でつくる技術をつないでいる役割もあると思います。

 

木の器

 

質問4)アカデミーに入学を決めたきっかけは何ですか?

大学の林業政策概論の授業で「岐阜県は特に林業に力を入れていて森林文化アカデミーというところがある」と紹介がありオープンキャンパスへ申し込みました。そのときに木材の材料庫に惹かれ、ここで学びたいと思いました。

 

質問5)アカデミーの学びで役に立ったことは何ですか?

木材について広く学べたこと。材から樹種判定できるようになり、一通りの木工機械の仕組みが分かるようになっていたこと。
卒業後、木製食器をつくる会社に入ったときに木工機械や工程を理解できました。

 

質問6)専門分野以外の授業やプロジェクトで、役に立ったものはありますか?

環境教育の考え方や、林業事業体の見学です。

 

質問7)アカデミーの学生生活で印象に残ったことは?

頻繁に開催されるごはん会があり、先輩後輩ともに交流があり他専攻とも仲が良く、とにかく楽しい2年間でした。先輩方と休日に関西圏のギャラリーや美術館を廻ったり。美濃の町並みも大好きでした。

 

質問8)アカデミー入学前の仕事が、今に活きていると感じることはありますか?

入学前は大学生でした。当時のつながりが今になって活きてきていると思います。

 

質問9)今の仕事をしていく上でのモットー、若い人へのメッセージは?

樹種を柔軟に幅広く使っていく気持ちを忘れず、技術を高めながら作りつづけて行きたいと思います。

どこで何をして暮らしていくのかを考えた先に山や森林が身近な場所で生きていきたいと思ったなら、自分の好きな作業、人より少し得意なことを見つけられたらいいのだと思います。住み続けたり、つくり続けたり、大切にしたいことをあきらめなかったり、その中で出会う人たちと仕事をしていけたら良いと思います。