活動報告
最近の活動
月別アーカイブ
2026年02月16日(月)

気密性能測定実習(アカデミー卒業生K邸にて)

「木造建築の環境性能設計」の一環で八ヶ岳の麓にある、アカデミー卒業生K邸の気密性能測定を実施致しました。

気密性能は、C値という値で表され、計算ではなく実測にて測定されます。単位はcm2/m2で床面積1m2当たり何cm2の隙間があるかで示します。

120m2の床面積住宅でC値5.0cm2/m2だと、5.0cm2/m2 ×120 m2=600cm2(A4の紙程度)の隙間が開いていることになります。
つまり、気密性能が悪いということは、すき間風が多いと言えます。
すき間風を無くし、住まい手が風の出入りをコントロールすることができれば心地良い住宅に繋がります。

今回は辻先生引率のもと、木造建築専攻1年生6名、エンジニア科2年生1名で測定を実施しました。建物の敷地は日当たりも良く、家からは八ヶ岳を望むことができ、とても住み心地の良さそうな場所でした。

アカデミー卒業生K邸

気密測定前に建物の概要を伺いました。

今回のK邸はご自身で設計されたご自宅になります。
Kさんはアカデミー入学から建築を学び、現在まで約5年建築に携わり学んできました。
アカデミー卒業後は長野県に移住。
建築を生業とし、新しい土地で活動をする生き込みを込め、今回の自邸をKon houseと名付けられています。
Konは根っこの「根」、「根本」や、新旧、内外、経験を混ぜていくという「混」を意味しています。

早速、測定器の取り付けがしやすい開口部を選び、気密測定の準備に取り掛かります。
室内から開口部(窓)にプラスチックダンボールを貼り付け、空気が漏れないようにテープで密閉します。
気密性能は室内の空気を測定器の換気扇で屋外に送り出し、その流量と室内外の気圧から求めます。
何度か測定を繰り返し、結果の平均からC値を測定します。

開口部に取り付けた測定器

C値は0.1~0.5cm2/m2で超高気密、0.6〜1. 0cm2/m2で高気密、2.0〜5.0cm2/m2で一般的、10.0 cm2/m2〜で低気密とされております。
K邸の結果は0.2 m2/m2、超高気密住宅という測定結果になりました。
学生で手分けをし、すき間がないか手を当て風の通りを確認しましたが見つからず。性能の高さを実感しました。

では、高気密の秘訣はどこにあるのでしょうか?
答えは室内の施工にありました。
室内側の壁には気密シートが一面敷かれており、すき間風が発生しやすい材と材の取り合い場所に気密テープ、サッシやチューブなどは押出法ポリスチレンフォームが吹き込まれておりました。
設計者の計画と施工者の精度の賜物と言えます。

気密性能を上げる施工例

実際の住宅で測定することができ貴重な実習となりました。

完成後のご自宅も楽しみです。

(文責:木造建築専攻1年 古池康彰)

 

参考文献

辻充孝. ぜんぶ絵で分かるエコハウス7. 株式会社エクスナレッジ, 2024, 142p.