専門技術者研修「温熱環境編」を開催しました
建築設計の実務者向けに、専門技術者研修を開催しました。今回の「温熱環境編」では、辻先生が作成したエクセルシート「環境デザインサポートツール」を使いながら温熱性能の計算を行いました。
※本研修で使用した「環境デザインサポートツール」は、辻先生の書籍『ぜんぶ絵でわかる7 エコハウス』の付録としてダウンロードでき、書籍を購入されればとどなたでもお使いいただけます。

2025年4月以降、断熱等級4以上の性能が全ての新築住宅を対象に義務化されました。
また、等級5以上の性能が2030年に義務予定です。
法的な観点からも、住み心地の観点からも、長く住み続けることを考えると断熱等級6以上の性能がほしいところです。
また、断熱だけでなく日射取得についても考えることが重要です。
断熱性能を高めたうえで外部からの熱源(日射)を取り込むことで、電力や化石エネルギーの消費を少なくしながら、温度ムラの少ない、暖かい空間を作り出すことができます。
日射取得と両立させながら断熱等級6以上を目指すことが求められます。
そこで注目するべきは、熱貫流率(U値)や日射熱取得率(𝜂値)です。
これらについて辻先生から基本的な考え方を教わったのちに、実際にパソコンで「環境デザインサポートツール」を操作しながら温熱計算をしました。

具体的なモデルプランを想定し、温熱計算をしました。

まず建物の所在地を入力するところからはじまります。
地域区分が変われば、特定の等級を取得するために必要な性能も変わって来ます。
そして、天井、壁、床のそれぞれの素材とその厚みを入力します。
また、基礎の断熱や、開口部の性能や面積、開口部の向いている方位、庇との距離などなど、各箇所のスペックを詳細に入力します。

上の写真は実際の入力画面です。
エクセルの数式などをつかう必要はなく、直感的にセルに入力するだけでつかえます。
入力を進めることで、熱貫流率や部位ごとの熱損失割合、日射取得の詳細について、結露リスクについてなど、温熱性能に関するさまざまな事項をシミュレーションできます。
使う素材や厚みを変更してみてどのように数値が変化するかも一目で確認できるので、予算と性能の兼ね合いを図るヒントとすることができます。
解説を交えながら5時間ほどみっちり研修を行いました。
次回は2月7日の「エネルギー編」です。
(文責:木造建築専攻 千々和駿)