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2026年01月29日(木)

「紡木人」樹状トラス② ~方杖の接合部設計パネリード~(自力建設2025)

こんにちは。今回は前回に引き続き方杖の接合部設計パネリードについてのお話です。

パネリードは強度が高く、L型等の金物が留付けられないところにも使用できる自由度の高さから、紡木人では方杖や柱、登り梁と様々な箇所の留付に使用しています。実際に手にしたら今まで見たビスよりもかなり強そうで、施工した際もすごく部材同士を引きつけ合う感じがしました。

(紡木人で使ったパネリード 左からPS8-140、P6-90Ⅱ+、P6-100Ⅱ+、P6-185Ⅱ+)

 

方杖の留付けは全部仕様がばらばらな設計をすると施工的にもやりにくいし、見た目(ダボが見えてくる位置)にも関わってくるので、まずは方杖の形状(急勾配か緩勾配か)と断面のサイズで分類して、パネリードの本数と打つ位置のイメージをおおよそ合わせながら進めていきました。


(似た形状のものはビスの本数を合わせて同じ仕様としています)

 

上図の半剛節の数値は最終的な結果の数値となるのですが、ここに至るまでには建物全体の変形を小さくするためにほしい接合部強度と、方杖1本1本にかかる力に耐えるために必要な接合部強度、全体と詳細部をいったりきたりしながら確認していきました。また方杖同士が狭いところにはインパクトドライバーが入らずビスが打てない、必要な埋込量を確保するにはどれくらいまで深く打ち込む必要があるか等の施工が実際にできるのかについて何度も皆と話し合いしながら進めていきました。実際の施工では斜めに打ち付ける部分がとても難しかったのですが、角度のジグをつくって施工することができました!

 

ここからは方杖1本1本の詳細な設計についてのお話です。部材にかかる力よりも大きい強度になるよう設計をする必要があります。方杖はそれぞれ角度がついている為、部材にかかる力をx方向とy方向に分解して強度の検討をしていきました。かつて物理の授業でやった、力FをFcosθ、Fsinθに分解するやつを方杖の角度でやっています!

 

(力を分解して、同じ方向にかかる力をそれぞれ足し合わせます)

 

この方杖の接合部の場合だと、引張は柱から方杖が離れていく力をビスで離れないようにしていて、方杖がスライドしてずれる力に対してホゾが効いていて、方杖が柱に押しつけられる力に対して接地面が効いているといった感じです。

(接合部にかかる力に対して上回る強度の設計にします)

 

これらの計算を応力分解してOKかNGかを確認できる、そんなすごいエクセルシートを畑佐さんがつくってくれました。すごい!こちらに全方杖を入力して接合部強度の確認をしています。


(エクセルシートの一部 いろんな角度に対応できるようになっているのです!すごすぎる!)

最後まで読んでくれた方は、ダボをみつけたら中にパネリードが埋まっているのだな、たくさん計算した結果なのだなと思いながら眺めていただけたらなと思います。今まで構造計算と建築がどう結びついているのかわからない部分がたくさんあったのですが、今回の自力建設を通して少し具体的になってきて、また知ったから新たにわからない部分、安全側をみないといけない部分がある等、少し視野が広がった気がします。これからも日々成長していきたいなと思いました。小原先生ありがとうございました、これからもよろしくお願いします!

 

木造建築専攻1年 奥村千里