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2025年12月24日(水)

江崎知事が講義「『当たり前』に挑戦し、未来拓いて」涌井学長と学生とのクロストークも

岐阜県の江崎禎英知事が12月17日、森林文化アカデミーに来校して全学生に向けて講義を行い、「『当たり前』と思っていることに挑戦して、未来を切り拓いて」と呼び掛けました。
講義の後には涌井史郎学長と江崎知事、学生によるクロストークも行われ、幅広いテーマで議論を交わしました。

 講義のテーマは「地方から創る新しい日本の形」。江崎知事は「『当たり前』と思っていることが実は違うことがある。人はいろんなことを知れば知るほど『それは無理』となってしまい、未来は拓けない」と語り、常識にとらわれずに社会課題に向き合う姿勢の必要性についてお話されました。

 事例として、江崎知事が経済産業省に勤務時にIPS細胞の実用化に向けて取り組んだ当初、薬事法の枠組みでは治療法として「あり得ない」とされた経緯などを紹介しました。日本の教育制度については、同い年の子どもが教室で黒板に向かって授業を受ける「一律一斉」の教育を「明治維新から全く変わっていない」と指摘。県内の小学校で異なった学年の児童が同じ教室で学び合う「異年齢教育」を取り入れたところ、成績の向上やいじめが減少したケースを紹介されました。

 さらに、幼少期に異年齢の子どもが土や自然に触れながら遊ぶ経験の重要性を訴え、「日本の教育は『遊び』と『学び』を分けてしまった。本来は『遊び』の中に『学び』がある。人が生きる材料は全て山の中にある」とも話されました。

最後に「今、世界も社会も変わりつつある。現状維持は衰退です。5年後、10年後に全国に誇れる岐阜県に生まれ変わるか、依然として人が減り続けるままでいるか、どちらを選択するか。未来を創るのは私たちです」とお話されました。

学生に向けて講義を行う江崎禎英知事

講義を聞いた涌井学長は、「大変示唆に富んだキーワードがあった。ブレークスルーする時には『当たり前を疑え』と。最も感動的だったことは『答えは自然の中にある』ということ。アカデミーでは『Forest-based Solutions』を掲げている。(知事の講義に)共鳴し、感動した」と述べられました。

意見を交わす涌井史郎学長=左=と江崎知事

講義後の学生を交えたクロストークでは、人口減少が止まらない中山間地域の維持に必要な施策、森林文化アカデミーの学費の実質無償化、子どものスマートフォン依存への対策、生物多様性の定量的評価と経済価値への換算−といった内容で意見を交わしました。

涌井史郎学長

質問をする学生

江崎知事

最後に江崎知事と涌井学長を囲んで記念撮影。貴重な経験をありがとうございました!

講義の後はみんなで記念撮影!

木造建築専攻1年 坂巻陽平