ソーシャルデザイン特別講義「日本人の森の思想」(後編)
<2025. 12.17> 森林環境教育専攻1年生の「ソーシャルデザイン」を実施しました。
第5回目は、前回に引き続き、元・森林文化アカデミー副学長 川尻秀樹氏(ジリさん)の特別講義です。(前回の模様は こちら をご覧ください)
今回は、林業専攻の1年生も参加してくれました。
太古から現代、世界と日本を森でつなぎながら見た前回に続き、今回は「日本人の思想と森の関係」についてお話をいただきます。内容は、前回にも増して”濃いめ””です。
- なぜ日本には森が残ったのか?
- 「森林の思考・砂漠の思考」(鈴木秀夫)
- 「木」と「柱信仰」
- 日本人の精神形成と「森」
- 最新のDNA解析から見る、そもそも日本人とは?
- 縄文時代の人口密度
- 日本人の宗教、信仰、習慣からみる特異性
- 日本独特の仏教と自然の捉え方
- 「再生」の考え方
- 屋久島の泊如竹と薩摩藩
- 故・井上民二氏:熱帯雨林での林冠研究からの気づき「共生の原理」
- レイチェル・カーソン女史:「センス・オブ・ワンダー」
- ネイティヴ・アメリカンの考え方「7世代先までの子どもたちのために」
あっという間の2時間半が終了して、質疑応答に入ります・・・が、インプット過多なので、まずはグループで雑談をしてもらいました。教員、たまたま来ていたOGも混じってグループディスカッション(雑談)です。
グループディスカッションをしている間、ジリさんに「なんでジリさんは、そんなに色々なことに興味を持つのですか?」と、こっそり聞いてみました。
「何にでも食いつく”ダボハゼ”的好奇心」とジリさん。
知ることの楽しさに目覚めたのは大学の時とのこと。
大学のとき、先生の講義が難しく「わけがわからない。面白い!」と、授業で聞いた「わからない」を調べるために、授業の後は図書館に通い詰めていたそうです。
「わからない」は面白い、それをどうやって「わかりやすく」人に伝えられるかに興味が広がり、今に至るそうです。morinosで様々な人と関わるジリさんは、森林や植物のことはもちろん、時事ネタから最近りのアニメまで興味を持って吸収しているそうです。その貪欲さは、まさにダボハゼなのでしょうか(笑)
そんなジリさんの生き方自体が、面白い、と感じた講義でした。なぜだろうと興味を持ち、まずは”感じること”を大切にしながら、体験を交えて学び続ける ーー 森林文化アカデミー的な生き方を最前線で実践されているジリさんの姿に、勇気づけられた学生も多かったと思います。
ジリさん、2回にわたり熱い楽しい講義、本当にありがとうございました。
<森林環境教育専攻 教員 小林(こばけん)




