里山キャンパスプロジェクトをふりかえる
<2025.12.17>里山キャンパスプロジェクト実習・23回目
今年最後の「里山キャンパスプロジェクト実習」4月からの活動をみんなでふりかえりました。
教科書も予定表もない、新しい学びのスタイルの模索。ひとつの同じ体験から、たくさんの気づきや学びがあり、なにを学ぶが、何が学びになるかは、人それぞれ。
例として「薪割り」を学生同士でふりかえってみると、そこから30以上の学びが導かれていることに気づかされます。
同じ手法で、今年やったことを書き出し、それぞれ何を学んだか、どんな学びがあったのかをディスカッションしながら、文字にしていきました。1年生、2年生、そして科目履修生と、経験や目的が違う人々が、同じ体験からどんな学びがあったのかを互いに気づき合う、深い学びの時間になりました。
< ※これまでのの活動は Instagram(satoyama_campus) でも発信しています >
気持ちの良いmorinosで、リラックスしながら対話を続ける光景も、これからの学びの姿を予感させます。学生の体験から得た素直な表現。ここに、未来のヒントがあります。
1年生、2年生、そして科目履修生の2名が混ざり、2班に分かれてふりかえりました。最後に、それぞれまとめたものを見ながら「どんな学びがあっったのか」「自分にとって、里山キャンパスはどんな場だったのか」をシェアしていきます。
<学生のコメントより>
- 受け身ではなく、主体的に「やりたいこと」を持ち込無事が大事。そして、みんなを巻き込んで実践することも大事。
- 不完全でも「まずは試してみる」「やってみる」という姿勢で実践することが大切だと思った。
- 「あるものでなんとかする」ことの大切さを実感できる。
- 里山キャンパスは、「暮らし」だった。暮らしの中で、野外調理の技術や道具の使い方など、パッケージ化されていない多様な学びが得られる場だった。
- 一人で生きている現代の生活スタイルでは得にくい、「生きる力」を、人々が協力して暮らす現場を体験することで、育むことができていた。
- 学んだことを、どう「持ち帰る」かを意識して参加していた。多くの学びがあり、自身のフィールドに持ち帰って、どう実践するか、どう他者に波及するかを行っていた。
- 主体的に「これをやってみたい」という気持ちで参加しないと、「よくわからなかった」ということになりがちだった。自戒の念も込めて。
- 里山キャンパスは、技術を学ぶだけでなく、自分を見つめ直し、心を「整える」場所でもある。
- 多様な人々と共に活動することで「なんとかなる」という自信や、人と共にどう生きるかという「共同体感覚」が育まれていた。
- ここでの経験は、自分の心地いいものや幸せを感じるものを増やし、「生命力」が湧き上がる感覚につながっている。
最後に、こんな声も。
「ふりかえりなんて正直面倒くさいな、と思っていたけど。やってよかったです。今日のふりかえりを通じて、自分たちが意外と成長していることが感じられました」
新しい学びの場づくりへの挑戦、それ故に「なにを学ぶのか」「どう学ぶのか」など、従来の教育に求められる構成要素を明確に示せないもどかしさがあります。しかし、この日の学生の対話を聞いていて、様々な「良いこと」が起きていることを実感させられました。
学生から多くの学びを得て、私たちも里山キャンパスと、その学びのスタイルを徐々に可視化して行きたいと思います。
この日の午前中、江崎岐阜県知事の特別講義が行われましたが、その中で知事はこれからの教育について
「遊びの中に学びがある。そういう教育が、これから求められていく」
ということを、熱く強調されていました。
遊びと暮らしが、そして社会が一体になっていたかつての「里山」のあり様に、これからの”新しい学び”のヒントがありそうです。ぜひ注目ください。
この日の学生の気付きも含め、新年早々、2026年1月4日(日)にオンライン講義「里山キャンパスってなに?」を行います。ぜひご参加ください。詳しくは こちら をご覧ください。
森林環境教育専攻 教員 小林(こばけん)








