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2025年11月06日(木)

日独連携シンポジウム・木造建築分科会(その1)

日独連携シンポジウム2025の2日目に木造建築分科会を実施しました。
分科会テーマは「日独の木材活用における発展的連携へ向けて」です。
岐阜県森林技術開発・普及コンソーシアムの会員の方々や、岐阜県産材輸出推進協議会の会員の方々、県内の林業・製材・乾燥・プレカット・建材の方々、意匠設計者・構造設計者の方々、研究機関や県行政の方々、国の機関や日本木造建築海外推進協会(JTOP)の方々など、川上から川下さらに輸出関連の34名に御参加いただきました。ありがとうございました。

木造建築分科会

 

ロッテンブルク林業大学と協定を締結した2014年から、第2回日独木造建築シンポジウム(岐阜)を開催した2017年までの第1期では、木造建築専攻の活動として、「教員によるドイツとの連携活動の模索」を行ってきました。

ロッテンブルク林業大学のデデリッヒ教授にも御協力していただきながら実施したmorinos基本設計の講評会を行った2017年から第3回日独木造建築シンポジウム(ドイツ)を開催した2023年までの第2期では、「学生を交えた交流・活動」へと昇華させてきました。

上記の経緯を踏まえつつ、前半は4人のパネラーによる情報提供を、後半はパネルディスカッションという流れで木造建築分科会を行いました。

まず、ドイツへの視察を通じて、ドイツの現状について、「素材・エネルギーから見るエコロジー建築」を森林文化アカデミー 教授・辻充孝先生より情報提供いただきました。

辻先生

辻先生

 

次に、ロッテンブルク林業大学と連携して行ってきた学生教育について、「日独連携による学生の学びと交流」を森林文化アカデミー 准教授・松井匠先生より情報提供いただきました。

松井先生

松井先生

 

そして、ドイツの構造デザインや国際学会での報告、前回ドイツで開催した日独木造建築シンポジウム2023、LIGNA2023について、私、小原より報告させていただきました。

小原

小原

 

最後に、岐阜県が取り組んでいるドイツへの木材品輸出について、「県産材製品のドイツでの販路開拓に関する取組みについて」を岐阜県 林政部 県産材流通課 木造建築推進室 消費対策係 係長・中村恭氏より情報提供をいただきました。

中村係長

中村係長

 

ドイツと日本との違い、日本では一般的ではないドイツでの指標とその評価、地域性から生じている日本とは異なるドイツの設計思想、輸出を想定した場合にEUDR(欧州森林破壊防止規則)に対する日本の対応の必要性など、多くの重要なキーワードが報告の中に含まれていました。

 

前日に開催されました日独連携シンポジウムの記念講演及びトークセッションで話題となったキーワードである「情報把握」、「計測化」、「国際化」、「質的向上」、「定性化」、「定量化」なども、偶然にも木造建築分科会でも主要なキーワードとなっていました。

教授  小原 勝彦