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2025年11月06日(木)

日独連携 R7ドイツ森林環境教育ツアー報告 〜その3 ドイツ編〜

R7ドイツ森林環境教育ツアー報告第3弾、最終回はいよいよドイツ編です。

数ある視察先の中から今回訪れたのは、morinosの姉妹施設であるHaus Des Waldes をはじめ、
森のようちえん、ユースファーム、放課後自然学校などなど。元保育士、元農業高校教員、
そして元学童スタッフだった学生たちの背景につながりのありそうな、そして今後彼らが
活動を展開していく上で、興味のありそうな場所を選びました。

Haus des Waldesでは、「森のおとぎ話プログラム」に参加。森の中に所々落とされた毛糸を
たどっていくと、森の中の舞台に到着。ストーリーテラーの話に耳を傾けているとなんだか
森の中から妖精が出てくるような気にさせられました。森林空間の新たな魅力を感じた一日
でした。

ドイツでは3つの森のようちえんと1つの農場ようちえんを訪れました。元保育士の2人の
学生にとって、おそらくとっても興奮した訪問場所だったことでしょう。どこの園でも
たっぷりと1日のを共に過ごし、朝から帰るまでの流れを体験することができました。

報告会でも報告されていたことですが「ドイツのようちえんは、先生が叫ぶことがない」
という事実に気づいたようです。日本では、笛を鳴らしたり、先生が大きな声を出して誘導
してたりするのはよく見る風景ですが、ドイツでは、小さな音のするティンシャや、歌声、
リードを吹くだけで子どもたちは自然に集まり、先生の言葉に耳を傾けていたのが印象的
でした。

また、農場ようちえんでは、朝ニワトリを始めブタ、ヒツジ、ウシ、ウマ、ヤギなど家畜
たちの世話をしてから自由遊びの時間となり、朝子どもたちが見つけた卵がおやつの時間
にゆで卵となり、その食べたあとの殻がニワトリの餌となり。。。とぐるぐると循環していく
様子が、頭ではなく子どもたちの日々の暮らしの中で実感して蹴る仕組みに学生たちは皆
感心していました。

放課後学校とユースファームでは、子どもたちと一緒に遊んだり、動物たちの世話をしたり
牧草を集める作業をしたりとこれまたみっちりとそれぞれの場所で体を動かしながら、
子どもたちと同じ目線に立って体験をしていったのですが、周りの子供達の生き生きとした
そして自身に満ち溢れた顔を見て、「どうして日本にこんな素敵な場所がないんだろうか?」
「いつかこんな空間を創りたいな!」なんて話を学生たちと真剣に語り合ってました。

ドイツでは、多くの大人が未来の大切な人材(人財)である子どもたちを育むための
素晴らしい施設と、それを支えるアツい大人たちが日々活動しています。幼児期から思春期
にかけて手厚い教育や体験の場を保証していくことで、「生きる力の強い」子どもたちを
育て、将来の「強い国民」をしっかりと育成しているのです。

日本も彼らに見習って「未来を見据えた生きる力の強い人づくりの空間」」を創造し、
全国に展開していかないと!!とアツい思いを胸に帰国した視察団一行でした。
それを実現するために、森林空間や里山空間ほど最適な場所はありません。

日本が抱える多くの課題と、森林空間の可能性を改めて感じたツアーでした。

本視察ツアー実現に向けてご尽力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。

なんちゃってせんせい 萩原ナバ裕作