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2025年10月20日(月)

揖斐川町木遊館サテライト施設整備 伐採式

本学で基本設計を担当している揖斐川町の木遊館サテライト施設整備の伐採式が行われました。

この伐採式は、揖斐川町谷汲にある天皇林で全国育樹祭が開催されてから10周年を記念して行われ、今回の木遊館サテライトは、この地のスギ・ヒノキ約200本を使用して建築することが予定されています。

今回は式典として2本のスギを伐倒しました。

1本目は樹齢約70年で、伊勢神宮の式年遷宮に使用する材を切り出すときの手法である「三ツ緒伐り」で伐倒されました。

これは、本学の新津先生も一員である「裏木曽三ツ緒切り保存会」の方々が、立木の三方向から斧を入れ少しずつ削り倒す伝統的な伐倒方法です。
「コツン・コツン」という斧が木に当たる音が森に響き、最後「バキッ」と軽い音と共に倒れる様子は、「ミシミシ」と割かれるように倒れていくチェーンソーの伐倒は異なり、木を労わり、山への感謝を深く感じるものでした。

また伐倒途中では、揖斐川町内の園児たちが立木や削りに触れて、みずみずしい生木を体感したり、斧を実際に手に取ってみてその重さに驚いたりと、目の前で林業に触れるという、この木遊館サテライトで記念すべき第1回目の木育体験プログラムにもなりました。

2本目のスギは、私たちアカデミーの学生と岐阜県立農林高校の学生で手ノコとチルホールを用いて伐倒しました。

久しぶりの伐倒作業で緊張しましたが、これらの木々が自ら設計した施設に使われることを考えると、本当に森と建築のつながりをひとつ実現していくようで大変喜ばしいことに思います。

木遊館サテライト施設整備は、実施設計に並行して、これから地元の森林組合の方々に伐採していただき木材調達の段階になります。2027年度末のオープンに向けて一歩前進です。

木造建築専攻 増岡