種を撒き続ける 〜 “見えないものに働きかける” 森林環境教育という仕事 〜
「お忙しいところ突然の連絡お許しください」
先日、そんな言葉で始まるメールが届きました。
長年、実習の一貫として続けている子供向け自然教室
「もりもりキャンプ」の過去の参加者からでした。
*もりもりキャンプに興味がある方はコチラをご覧ください
https://www.youtube.com/watch?v=ZjxRi4QZS7o
森林環境教育は、森林文化アカデミーの他の専攻が扱う林業や木工、
木造建築のように、森、家具、建物っといった「カタチのあるもの」
を相手にするのではなく、子どもや大人の「気持ち」「価値観」「感性」
「考え方」といった「カタチのないもの」にとことん寄りそい、
成長を応援していく仕事です。
だからその成果や結果は、全くと言っていいほど見えないのです。
強いて言うならば、現場での子どもたちの笑顔や言動などライブ
な反応に限られます。カタチには残らないんです。
それだけに、この活動の効果や成果を、一般化したり、他人に伝えたり、
残したり、価値をつけたりするのが非常に難しい分野でもあります。
そうした中、今回のような手紙をもらえると「やり続けてきてよかった」
と純粋に嬉しいのです。そして今やっていることが、単なる独りよがり
ではなく自分が働きかけたことへの「結果がちゃんと出ている」と
再確認できるのです。そして何よりも最高の「ご褒美」でもあるのです。
環境教育の現場で働いている人たち、そしてその現場を目指して日々学び
続けている学生たちに、そんな事実をぜひともシェアしたいと思い、
今回、メールの差出人本人から許可を得て、以下にメールをご紹介します。
現場の皆さん、学生の皆さん、
あなたが撒き続けてきた種も、しっかりと芽を出しているはずですよ。
そしてメールをくれたNさん、本当にありがとう。
アカデミーで再会できるのを楽しみにしていますね。
なんちゃってせんせい 萩原ナバ裕作
(以下原文ママ/写真はイメージです)
もりもりキャンプの常連だったNと申します。小学生のころからそちらに通い始め、
今では19歳の大学生になりました。お久しぶりです、お元気ですか。
したいと思い、現在大学で森林保護、森林生態を専門に勉強しています。海も山も
楽しみたいと欲張った結果、R大学に通っております。
ナバさんの存在が森林関係の仕事をしたいという気持ちを強くしてくれました。
感謝しています!ありがとうございます。
経験ができたことは宝物です。大学でもこの先どんな仕事をしようか決められてない
のですが、自然と人をつなぐインタープリターのようなお仕事ができればいいなと
思っております。