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2025年07月20日(日)

【授業報告】岐阜県内の木造建築・製材工場などを見学しました

エンジニア科1年生の授業「木材利用の基礎」では、岐阜県内の木造建築や木材加工工場・製材工場を見学を行っています。

この見学のコンセプトは、「川上から川下まで、川下から川上までを一気に見る」ことです。

過日に実施した見学の様子を簡単に報告します。

今年は引率に、美濃市地域おこし協力隊の久野春奈さん(本校OG、エンジニア科21期生)にも加わってもらいまいした。

 

計4か所を見学したのですが、まずは木材流通の「川下」である住宅メーカー『ひだまりほーむ(鷲見製材㈱)』の本社住宅展示場(モデルルーム)を見学しました。

同社営業部長の鷲見さんをはじめ(アカデミーの卒業生を含む)3名の方に案内していただきました。

 

『ひだまりほーむ』は県産材の利用に力を入れており、ショールームからも「木材」への強いこだわりを感じます。

「ひだまりほーむ」では快適な住環境、空調にも気を配っているそうです。

本校卒業生の菰田さん(エンジニア科22期生)が空調システムについて熱心に解説してくれました。

 

学生からは「こんな家に住みたい!」「工夫が随所にあって、すごい」などの声が挙がっていました。

・・・実は、今回の見学で一緒に引率を担当してくれた久野さんもかつて同社で働いていました(※円満退社です)。

モデルルームでは一緒に学生からの質問に答えてくれました。

 

 

続いては、各務原市の木育施設『KAGAMIGAHARA PARK BRIDGE(運営・飛騨五木グループ)』を見学しました。

スタッフの浅野さん、小長谷さんに施設の概要を紹介していただきました。

この施設は、建築から施設の運営まで、飛騨五木グループが一貫して行っています。

こちらも岐阜県産のスギを構造材に用いています。

(※ただし、会社名(飛騨五木)にちなんで、一部の柱にはスギ以外の“飛騨五木”である4樹種(ヒノキ、クリ、ケヤキ、ヒメコマツ)が使われています。)

この施設の遊具には決まった遊び方がありません。子どもたちが自由に遊び方を考えます。

・・・うちの学生も自由に遊ばせていただきました。

大変、お騒がせしました・・・。

(教員含めて、はしゃぎすぎて申し訳ありません・・・)

最後は施設の前で記念撮影を行いました。

 

3件目の見学先は『親和木材工業㈱』です。

 

まずは、同社部長の古田さんと同社営業の加藤さんから、会社の概要について説明してもらいました。

会社概要のみならず、木材産業の社会的意義や仕事のやりがい、これから社会人になった際の心構え(「失敗を隠さず、人のせいにしない」など)について語っていただきました。

続いて、工場の案内をしていただきました。

同社は、製材も含めて、幅広く木材加工を行っているのですが、今回は時間の関係もあり、

造作・内装部材の加工のロボット、プレカットのラインを中心に見学しました。

「ロボットがすごい!」と言う学生さんも。

プレカットの機械も多くの学生が初めて見たようでした。

・・・実は、金属プレスの仕事も最近は請負っているそうです。新しいことにどんどん挑戦していく姿勢が印象的です。

自社設計のログハウスも見学。「自分で組み立てたい」と言う学生さんもいました。

 

最後は、『交告製材㈱』を訪問。

工場の案内は同社の纐纈社長にしてもらいました。

 

なお、社長のご子息(纐纈俊一さん)は当校の卒業生(エンジニア科21期生)です。

学生時代の課題研究では木材乾燥時に副産物として得られる「ヒノキの精油」について取り組んでいたのですが、

今ではその精油を販売するに至っています(写真)。

教材として、乾燥条件の異なるヒノキ製材やスライスした丸太を用意してもらいました。

製材に関する即席授業です(私の授業より分かりやすいですね・・・)。

教材を交えて、製材業のやりがいや奥深さについても語ってもらいました。

 

エンジニア科の学生は2年次より林業コースと林産業コースに分かれますが、

どちらのコースに進むにせよ、木材産業の概観を把握するのはとても重要です。

今回の見学が、学生の将来の糧に少しでもなれればと願っています。

 

最後になりますが、ご多忙にも関わらず懇切丁寧に対応して頂いた訪問先企業の皆様に、

心よりの感謝を申し上げます。

 

講師 石原 亘