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2019年06月02日(日)

木工事例調査 in 大阪 ~木の人形工房アトリエ朝香~

今年度も木工専攻の恒例授業「木工事例調査」に行ってきました。先進的な取り組みやユニークな製作を行っている木工房などを訪問する実習です。今回は日帰りで大阪まで足を延ばしました。学生によるレポート、1件目は木の人形工房、アトリエ朝香にお邪魔させて頂いた様子を紹介します。

 

大阪府の木の人形工房『アトリエ朝香』に見学に伺いました。
Hiroki Asaka Wooden Doll Works

アトリエ朝香のミニチュアドール

朝香さんの手がける木の人形たちは、数センチ~手のひらサイズまでの「小さな」サイズが特徴です。その丁寧さ、精巧さ、樹種の取り合わせの巧みさなどに、ひと目で驚きを覚えます。同時に、もの言わぬ動物たちの豊かで可愛らしい表情、女の子の人形のまっすぐな眼差しなどは、時間を忘れて眺めていたいような愛しさを感じます。

朝香裕樹さん

事前に朝香さんの干支シリーズの実物を見せていただいていた一同は、その驚異的な人形作りの技の核心を探るような、わくわくとした気持ちで工房へ。住宅街の一角、ガレージの内装に手を加えたという朝香さんの工房は我々にとって、まさしく、ひみつ道具の詰まった秘密基地のようでした。

説明をする朝香さん

とはいえ朝香さんご自身は、秘密主義とは対極のとてもオープンな人柄で「なんでも聞いてください。知りたいことは、全部お話しします」と惜しげもなく、小物作りのための自作の刃物や、人形を作るための治具、小さなパーツを仕上げるための方法など、我々が感じていた制作工程の不思議の種明かしをしてくださいました。

パーツの仕上げに使うガラ箱

「このガラ箱(旋盤の動力を利用した仕上げの道具)は便利なので、ぜひお見せしたいと思っていて」

いくらオープンで親切なお人柄とはいえ、企業秘密にしておきたいことは全くないのだろうか?と最初はありがたくも不思議に思っていたのですが、お話しを伺うにつれ、そのどれもが一朝一夕に真似ができるものではない、ということも分かってきました。無数の治具も、自作の工具も、デザインのアイディアを形にしていく試行錯誤とこれまでの経験のなかで作り上げられてきた、朝香さんの工夫が濃縮されたものなのです。

朝香さんの作品

「人形の表情は、やはり製作者によって異なるものなんです。自分自身でも作り続けていくなかで(よいと思う表情を追求してきて)初期のものと今のものでは、かなり違うものになっています」

仕上げの丁寧さ、これまでの経験値、今の朝香さんご自身の手でなければ生み出せない「表情」などが相まって、朝香さんでなければ生み出せない、かけがえのない人形たちになっていることが、見学を通じて、深く納得できました。

丁寧で工夫に満ちたお仕事を間近に拝見することができ、一同、多くの学びと刺激を受けることができました。朝香さん、本当にありがとうございました。

文責:森と木のクリエーター科木工専攻(2年) 庄司晴美・藤田真弓・丹羽茄野子


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