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2018年02月05日(月)

塗料の使い方と選び方を学ぶ「木材塗装(合成樹脂塗料)」

木工専攻の1年生は、2つの塗装の授業を受けます。
今回はそれの後半戦、合成樹脂塗料の授業を行いました。

合成樹脂塗料の対になる塗装に「自然塗料」と呼ばれる物があります。
例にあげるとすれば植物性オイルフィニッシュや漆、柿渋などが一般的かなと思います。合成樹脂塗装は一昔前にシックハウス症候群が社会問題となった時、そのやり玉にあがってしまったイメージが抜けず、いまだマイナスイメージを持つ方もいらっしゃいます。しかし、実際には高機能塗料が多くあり、木工の分野でも多く活用されています。

この授業では、比較的扱いやすい合成樹脂塗料をメインに塗料の選び方、使い方を学びます。

器にガラス塗料を塗る


まず、授業の冒頭は塗料や塗装方法についての座学から。
塗装に関する基本的な知識を学びます。
そして、次に行ったのが塗装クイズです。

2つの器には何が塗られている?

写真の作品は今の2年生が1年次の終わりに商品化の授業で製作して長良川デパートで販売した木の器です。さて、2つの器(別々の塗料が塗られています)、これらは自然塗料を塗っているでしょうか?それとも合成樹脂塗料を塗っているでしょうか?見ただけでわかりますか?

これ、正解は2つとも合成樹脂塗料を塗っています。
パッと見た感じ、木の表面に塗装の膜は見えませんし、テカテカしたツヤもありません。どちらかというとしっとりとした落ち着いた木の風合いの作品です。でもこれ、合成樹脂塗料を塗っているんです。

誤解されがちではあるのですが、合成樹脂塗料でも、含浸系のツヤの押さえたタイプの塗料を使うことで、植物性オイルフィニッシュと似た風合いの作品が作れます。合成樹脂塗料=厚い塗膜とツヤツヤの光沢のイメージは結構浸透しているようで、学生もこれには驚いていました。

合成樹脂塗料の塗装実習

色々な塗装例を見て、良い意味で合成樹脂塗料のイメージを壊したら、さっそく塗装の実習に入っていきます。今回の実習では、前に木工旋盤の授業で作ったお椀やお皿などに塗装を施します。

木の板の着色塗装

そして今回は新たな試みでブロック状の板の全面着色塗装にも挑戦してもらいました。こちらは器に使うタイプの塗料ではありませんが、着色塗装の注意点や立体物を塗るときの手順の組み方、刷毛使いを学ぶ目的で取り組んでいます。

塗料の特徴解説

塗料の特徴を用途やコスト、作業時間などに分けてグループで発表。

これらの塗料の選び方や使い方は、実は製品の用途や樹種の違いなどによっても異なってきます。実際のモノ作りの条件から、どの塗料をどんな視点で選べばよいか?判断する知識と技術を身に付けるのがこの授業の目的の1つです。

乾燥中の器

塗装を終えた器は、学校や各自の家庭で使いながら塗装の性能を検証します。今回は木工専攻以外の学生も多く授業に参加してもらいましたので、それぞれのフィールドでまた、塗装の技術を活かしてもらえたらと思います。授業はここまでですが塗装の研究は今後も続けていって下さいね。

木工専攻 講師
前野 健


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