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2016年10月09日(日)

ドイツ サマーセミナー報告⑤(9/13)

9/13 (Day3) 続き

民間の所有者組合 ’WBV Westallgaeu’

 

引き続き、本田が報告します。

時間の都合によりレストランに移動して昼食をとりながら、択伐林と同じお二人から説明を受けました。日本の森林組合に近い組織で民間の会社。個人の小規模所有者からの相談に乗り、選木・伐採から法律的な手続きまで多岐に渡る業務を行っているそうです。運営資金の主な出元は、木材販売(約50%)、行政からの補助金(約20%)、会員費(約10%)とのことです。
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木材販売について非常に努力をされている面が窺えました。日本と同じくドイツでも小規模製材工場がどんどん倒産し大規模化が進展。ドイツトウヒの中小径木を必要とする大規模製材工場と、Plenterwaldのような択伐林施業に欠かせない大径木を売りたい山側との間に、需要と供給のミスマッチが発生しています。特にドイツトウヒより価格は安いが択伐林に必要なヨーロッパモミでそれは顕著です。そのため他の組織と連携して、市場を作り特にヨーロッパモミの大径木への関心を目覚めさせました。木材の販売に関してさらに優位な立場に立つために、他の8つの組織と共同出資でAllgaeu Holzという組織を設立。ここが木材を集めて安定的な供給体制を築き、国際木材商社へ販売しているそうです。

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択伐林を成立させるために、価値が低いヨーロッパモミを始め大径材のマーケティングへの努力に感銘を受けました。

 

製材所 ‘Holz gesellbrecht’

国境を越えオーストリアへ。この製材所に行く前に「ここは中欧にはあまり無い特別な工場だよ」と何度も説明を受けました。何が特別か、それはヨーロッパモミの良質な大径材を扱う点です。この工場があるからヨーロッパモミの大径材の使い道があり前述した択伐林が成立しているということで、森の維持のための川下連携の大事さを感じました。

年間丸太消費量は4,000㎥(長良川木材事業組合の1ヶ月分に相当)、製材機の能力は〜140cmまで、歩留率は約70%と非常に高い。この理由は良質で大きな木材を丁寧に扱っているためです(理由は日本も同じ)。ちなみにドイツの大規模製材工場の歩留率は約50%。

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原木の受入基準は、完満・無節・50〜70cm径など6つ。フローリング材として使われるため年輪への要求は全くありません。大径材なので心去材が取れて、天然乾燥(6〜8ヶ月)により収縮とねじれを防止できています。また材の外側がいわゆるA材となるため、枝打ちは太くなってから行われているそうです。原木価格の決め方はシステム的なものを想像していましたが、相対取引という非常に人間味のあるものでした。

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従業員は社長・奥さん・二人の従業員の4人。択伐林に共感する一方で、前職でこの手の小規模な工場が廃業する姿を見てきた私は、将来的にもこの製材所が継続できるのか不安に思いました。

(文責: Cr1年 本田)


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