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2017年09月15日(金)

森林を詳しく調べ、把握する〜「森林調査法1」〜

クリエーター科の林業専攻では森林の現場技術だけでなく、森林の現況を正確に把握する技術を得るための実習も行なっています。

森林の利活用を考える際には、なんとなく林を見るだけではダメで、正確に状況を判断することが必要です。慣れてくると目測でもある程度把握することはできますが、最初から的確に捉えることはできません。まずは道具を使った調査が不可欠なのです。

夏休み直前、まずはアカデミー演習林において、人工林の調査を行いました。測量のためのコンパス、立木の直径を測る輪尺、樹高を図る測高器など様々な道具の使い方から学びます。

直径調査の様子

胸高直径の測り方を学んでいます

樹高測定の様子

樹高を測定

最初はおっかなびっくりですが、一本一本丁寧に、しかしテキパキとこなしていきました。データは持ち帰って室内で解析。エクセルなどを使えば簡単に計算できるのですが、どういう解析をしているかきちんと理解するために紙上で計算し、解析しました。材積表から林分材積を計算したり、収量比数、相対間距比なども求め、林分の現況を確認しました。

 

またこの科目では天然の里山林の調査も行いました。この調査では森林の植生の特徴(構成樹種、階層構造)や立地条件との関係を理解することを目的としています。

急な斜面での調査

近隣の里山林に行き、斜面の上から下に向かってメジャーを引いてベルト状の調査区を設けます。その長さ100m以上!尾根から斜面を下りながら、一本一本調査をして行きました。斜度もきつく、暑い中ヘトヘトになりながらの調査でしたが、なんとかデータを取りました。調査の結果、斜面上部にはアカマツが(松枯れで減ってはいますが)、下部にはアベマキが優占していることや、土壌の深さとの関連、アカマツ枯死後の更新の様子などが見えてきました。

 

夏休み後には、目測での林相の把握を訓練しました。胸高直径、樹高、材積、距離を道具を使わずに目だけで把握する訓練です。答え合わせは道具を使って行います。夏休み前に道具を使っての調査を経験しているので、ある程度は予測できるのですが、なかなか難しい。それでも何回か繰り返すうちに、皆近い値になってきました。私は樹高はほぼピタリでしたが、直径は近い値は出るものの、なかなかピタリとは行きませんでした。樹木同定も同じですが、あとは日常的に訓練を繰り返すことが大事です。頑張りましょう!(津田格)