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2018年07月11日(水)

木造建築の設計製図 求める性能から断面を考える!

木造建築の実施設計図書を仕上げていくこの授業。

建築図面には、平面図、矩計図に始まり、立面、展開、建具表、枠詳細、電気設備、給排水設備、構造図、外構図、仕上げ表、特記仕様書といった様々な図面があり、一通り仕上げることで、ようやく建物全体が説明できます。

先日の平面図に続き、今日は矩計図(かなばかりず)を描いていきます。

この平面図と矩計図が建築図面のキモで、設計者の考え方が概ね見えてきます。

矩計図を描くにあたり、どのような断面構成かを考えていきます。

 

例えば外壁に求められる性能や要素を学生間をグルグル回りながら順番にいろいろ挙げてもらいました。

断熱性能、耐震性能、防雨・防風性能、防音性能、日射遮蔽性能、美観(意匠)、内外の区切り、耐久性、透湿性能・・・順調に来ましたが、10個目くらいから、「思いつかない...パス」と出てきましたが、最終的に21個の要素が出てきました。(私が以前列挙したときは35個の要素)

全てを考えるのはなかなか大変なので、特に大切にしたい要素を5つ挙下てもらいました。

やはり、断熱、耐震は外せない様子。さらに、それ他の性能目標をどこに設定するかそれぞれの学生の考え方を出してもらいました。

その目標値をもとに、設計中の壁を構成していきました。

この断面をもとに、矩計図の壁を描いていきます。同様に、屋根や床、開口部なども検討していき、ようやく建物仕様がかたまりました。

さて、実際に作図です。

あとはひたすら、CADを駆使して、考えた断面で作図を進めます。自力建設の作図を経て、かなり早くなっています。

准教授 辻 充孝