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2021年05月25日(火)

色の付け方の色々「木材塗装の応用(エアブラシ編)」

ウッドワーカーには2種類が存在します。木に色を付ける作り手と付けない作り手です。

木工専攻の2年生の選択授業「木材塗装の応用」は様々な木の着色方法を学びます。今回ご紹介するのは、この授業の前半パート、エアブラシやクレパスなどを使ってカラフルな塗装をする実習です。

硬派や渋さと無縁、かっこいいではなくかわいいにベクトルを振ったファンシー木工です。

作業中の机の上から既にファンシー

作業中の机の上からすでにファンシー

着色塗装の技術は木の玩具を作ったり、作品の中にアクセントを生むのにも役立ちます。

また、工作ワークショップをする際にも色を塗りたいというオーダーは多く、魅力的な着色ができれば他所との差別化もできるようになります。一方で着色は方法を誤ると途端に作品が安っぽくなってしまうので、世の中には「色は塗らない」という作り手もいます。

自身も工房を運営していた時にこの着色の課題に直面したこともあり、いろいろと試行錯誤をしてきましたので、この授業ではその経験を落とし込んで、木にきれいに色を付ける方法をレクチャーしています。

この授業、問題があるとすれば学生が脱線しがちというところでしょうか・・・

エアブラシを使います

着色にはエアブラシを使います

実習はエアブラシの仕組みの解説と使い方から始まります。

エアブラシは絵画や模型作り、ネイルアートなど様々な分野で使われますが、実習で使用するの物も一般的な模型塗装に使われるものです。

エアブラシはスプレーのような吹付けの塗装方法で塗料は好きに調合して作ることが可能です。
授業では扱いやすさと色付きの良さから水性のステインを使っています。

まずは紙に向かって色を吹いてみて、色の乗り方やマスキングの方法などを体験します。

塗装するパーツを選びます

この授業では木の人形のパーツを選んで塗装をします

機材の使い方や色の塗り重ね方のコツについての説明がひととおり済んだところで、木の人形のパーツを選んで、それぞれにマスキングして着色をしてもらいます。

このあたりから学生達が授業モードからワークショップの参加者のような感じになってきます。

扉1枚はさんだ向こうでは1年生が削りくずの出ない鉋と悪戦苦闘しているのに「わたしゾウさんにするー」「わぁ、それかわいいー」なんてウキウキ声が隣に抜けていってしまうと教員的にはヒヤヒヤします。

塗装の設計図を作る学生も

塗装の設計図を作る学生も。モノづくりには性格がでてきます。

クレパスを使った着色

機材の待ち時間を使って、クレパスを使った木地着色にも取り組んでもらいます

あら、かわいい

あら、かわいい

エアブラシの吹付作業は機材待ちの時間がでてくるため、その間にクレパスと蜜蝋ワックスを使った着色塗装にも取り組んでもらいます。

こちらもマスキングの仕方を工夫することでかわいい模様を作ったり、淡いカラーリングに木地に色を付けることができます。

キリの木っ端はサンドイッチに

学生が黙々と何か作っているなーと思っていたら、いつの間にかキリの木っ端がサンドイッチになっていました(クレパス着色)

マスキングを剥がすと模様が出てきます

マスキングを剥がすと模様が出てきます。クマのおなかから出てくるのは何でしょう・・

パーツの色塗りが仕上がってきました

パーツの色塗りが仕上がってきました。課題は人形2体のはずなんですが、なんだかパーツが多い気が・・

塗装済みのパーツをを組み立てます

着色してクリア塗料を吹いたパーツを組み立てます

作業内容自体はそれほど多くないはずの実習なのですが、学生達がそれぞれに思いつくままにあっちゃこっちゃに新しい塗装方法を始めるものですから、気づけば授業時間は残りわずか。
塗装がギリギリ終わったところで今回はタイムアップとなりました。

着色が済んだパーツの組み立て作業は後日、放課後を使って行いました。

完成品を並べて記念写真

完成品を並べて、はいチーズ カシャ

そして出来上がったのがこちらの人形たち。
個別のデザイン志向は色々ありますが、どれもエアブラシの特性を活かした着色塗装がうまくできているのではないでしょうか?

学生達はモノづくりが好きで木工を勉強しにアカデミーに来たわけですから、ワークショップ形式の実習はのめり込みますし、工夫の余地が多ければいろんな試行錯誤が始まりますよね。

結果的にいろんな着色のトライアルができたならそれでOKです!
木材塗装の応用、後半パートは漆塗りの実習になります。そちらも頑張って下さい。

木工専攻 講師
前野 健


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