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2019年05月04日(土)

【どてら】パソコン利用! かんたん構造解析

木造建築の新しいかたち(その115)木質構造に関する住育の取り組み
実務者のスキルアップをする住育:専門技術者研修「木造建築の構造性能検討ツール演習」を開催しました。土曜寺子屋「どてら」として、土曜日に開催しています。
「木造建築の性能設計は難しい」と感じている建築実務者は非常に多いと思います。本研修では、パソコンを利用して、木造建築の性能を検討する演習を行います。パソコンを利用することで、木造建築の性能検討を比較的容易にできるようにすることが目的です。
今年度は全7回を通じて、WallStatStudioを利用した解析を行います。後半では、参加者各自のプランを入力して解析を行い、最終回の公表会にてその報告をしていただきます。

中川貴文氏(京都大学 生存圏研究所 生活圏構造機能分野 准教授)が開発した「Wall stat」を用いて、立体構造モデルにおける時刻歴応答計算を研修します。この「Wall stat」は、東京大学をはじめ、独立行政法人 建築研究所や国土交通省 国土技術政策総合研究所にて、実大の振動実験結果との検証がなされてきたソフトウェアであり、木質構造を専門とする多くの研究者・技術者の方々が研究や技術開発などで利用しているものです。「Wall stat」を使うことにより、パソコン上で木造住宅の数値解析モデルを作成し、振動台実験のように地震動を与え、 最先端の計算理論に基づいたシミュレーションを行うことで、変形の大きさ、損傷状況、倒壊の有無を視覚的に確認することが可能となります。さらに、「Wall stat」はフリーに利用できるため、実務者の方々にも導入コストがかからず利用することが可能であるというメリットもあります。
中川先生に御了承を得た上で、森林文化アカデミーの専門技術者研修での技術研修を行っています。

まずはwallstatの簡単な利用方法を概説しました。次に、サンプルプランを用いてwallstatの一連の利用方法を演習し、最後にいろいろなパターンの地震動入力を行い、倒壊するかどうか解析してみました。

教授  小原 勝彦