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2022年10月06日(木)

大工合宿にて墨付けを行いました(自力建設2022「丁稚基地」)

(アカデミーでは独自の感染対策基準に則り「抗原検査での陰性を確認」をして学外授業を実施しています)

待ちに待った大工合宿。始めの二日間は、木造建築専攻1年の6名で今年の自力建設の軸材料の墨付けを行いました。
 今まで描いてきた図面は正しいのだろうか、大工さんは厳しいのだろうか、そんな不安を現したような曇天の空の下、加茂郡白川町にて大工合宿がスタートしました!

 まずは自己紹介をして、大工さんに前日徹夜しながらも製本した図面を配布し、棟梁の坂井さんが設計の説明を行いました。3人の大工さんが真剣な顔でうなずきながら話を聞いてくださり、時折見せる笑顔に、段々学生側の緊張もとれていくようでした。

墨付け2022-1

続いて松井先生がトラックにて運んでくださった材を、大工さんがリフトで降ろしてくださいました。それを作業の倉庫の中に手運びで並べます。

 この日運び入れた材は今年の自力建設における軸材料、つまり柱や梁といった骨組みの部材です。重ならないように一本一本丁寧に並べると、規模の大きさが実感できました。

墨付け2022-2

 そして、番付の作業に入ります。番付は、どこにどの部材をどの向きに使うか、実際の見え方を意識しながら決めていく重要な作業です。大工さんとともに1/30の縮尺で作った軸模型や図面を見ながら、一本一本確実に決めていきました。
 材をよく見ないと分からない程度の曲がりやねじれも、大工さんは一瞬で見分けて、使用を避けるように教えてくださいました。また、柱は木が生えていた時と同じように、元を下にして建てなければいけません。節に着目しながらよく木を観察すると、段々どちらが元でどちらが末かわかるようになっていきました。

墨付け2022-3

 番付がある程度終わると、墨付けの作業に入ります。墨付けは鉛筆と差し金を使って、軸組の形に材を刻む線を引きます。持ち替えが極力ないような差し金の持ち方を教えていただきましたが、なかなかぶれずに線を引くことは難しく、こつをつかむまでに四苦八苦しました。

墨付け2022-4
 
刻みはやり直しがききませんが、墨付けの段階では修正することができます。消せることのありがたさを痛感しながら、みんな図面と材に向き合いました。

 初日の最後では描けた!と思っていても、次の日に確かめると間違いを発見することが多々ありました。昨日の自分は何をしていたんだろうと落ち込むこともありましたが、刻む前に気づけてよかったと、ポジティブに捉えて、進むしかありません。
 大工さんはもし私たちが間違えていると、そこに着目するように促し、本当に合っているのかと気付かせてくださいます。自分たち主体で考えて進めつつ、大工さんの指導や確認を仰ぎながら、墨付けは着実に進んでいきました。

墨付け2022-5
 
来週からは刻み編!墨付けが合っていることを祈りながら、新たに参加するエンジニア科の学生を楽しみに待ちます。
 大工合宿はまだまだ始まったばかりです。引き続き、怪我と熱中症に注意して作業に励んでいきます。引き続き、自力建設の応援よろしくお願いいたします!

 クリエーター科1年 木造建築専攻 小島亜素佳