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2020年10月29日(木)

自力建設2020「伐採・丁張り・根切り・配筋・打設」

皆さん、お久しぶりです。
木造建築専攻 1年生 杉山です。

この前のRCをはつったブログ記事から、早くも1か月も経ってしまいました。
この1か月なにもしてなかったわけでは、ありません。
しっかりと現場は動いていました。なので、今回はこの1か月でどのような変化があったかを書いていきたいと思います。

まず、川床の周りに鬱蒼と生えていた木をエンジニア科とクリエーター科の林業専攻の方々に切ってもらいました。
アプローチが綺麗になりました。林床にも光が入り、まるで別の場所みたいになりました。

Before
自力建設2020伐採前

After
自力建設2020伐採後

木を切ってくれた方々、ブログにて改めてお礼申し上げます。

次に、丁張りを行いました。

丁張りとは、建物の位置を出し、杭と貫と呼ばれる木材で囲っていく作業です。この木材はただ囲うわけではなく、貫と呼ばれる薄板で高さ設定していきます。
「BM(ベンチマーク)から○○mm上がり」というように設定し、水平に留めます。
※BM(ベンチマーク)とは
敷地や建物の高さの基準レベル点を指します。BMは施工時の基準レベルになるので、工事中でも撤去せず、動かないものにします。

自力建設2020

T-PLAN建築工房の田口さんに丁寧に教えてもらいながら、
「BMからどれぐらいさがりで、基礎の天場がくる?」、「い通りから200(㎜)ふったところにくるやろ」と1つ1つの作業を丁寧に教えていただきました。

自力建設2020

丁張りが終わったら、根切り、基礎配筋、が行いました。

まず、根切り、基礎配筋とはなにかと説明すると……
根切り:地面を掘る作業のこと
基礎配筋:根切りで掘ったところに鉄筋を組んだものを設置することです。

なぜ基礎配筋するのかを説明していきます。
簡潔に言うと、コンクリートと鉄筋を組み合わせることで、単体で使うより強度が得られるためです。
コンクリートは圧縮力に強いですが、引張力に弱く、曲げる力を加えると、すぐに折れます。鉄筋は引張力に強いですが、圧縮力には弱くすぐに座屈します。このように、お互いの弱点を補うことで強度を得ることができます。

これから、建築現場の鉄筋を見たら、「強度を補うために配筋されているのだな」と思って見てみてください。

話が逸れてしまいましたが、現場では根切りと基礎配筋が行われました。
深さ50㎝も掘らないといけない設計なので、掘方のプロに頼むことにしました。
毎年は、自力で掘っているそうですが……(如何せん今年は1人なもんで)

自力建設2020

なんと、小型のショベルカーが現場に入ってきてくれました。

自力建設2020

これこそ、文明の力!!!!

自力建設2020

掘り終わりましたら、基礎配筋を行いました。お恥ずかしい話ですが、掘り方もプロにしていただき、配筋までプロのかたにしていただきました。
ありがとうございます。

ここまで思ったのですが、「私今のところ丁張りしかしてないじゃん」って、
書いてて気づきました。
来年の自力建設はしっかり手伝うことをここで深く誓います。

配筋されると次はそのまわりに型枠の設置を行います。
読んで字のごとく、配筋の周りのコンクリートを流し込むための、型枠の設置を行います。

自力建設2020

型枠を設置しましたら、どこのアンカーボルトを設置するかを決めます。
※アンカーボルトとは
木材や鋼材といった構造部材、もしくは設備機器などを固定するために、コンクリートに埋め込んで使用するボルトのこと。(Wikipedia抜粋)

この、アンカーボルトの設置は、丁張りで張った水糸から考えて行います。
この作業も田口さん、超丁寧に教えていただきました。
「こんなに、丁寧に教えることそうそうないぞ」「ほんとに理解しているのか」などいじられながら無事、アンカーボルトの設置もできました。

丁張り、根切り、基礎配筋、型枠設置が終わりましたら、次はいよいよコンクリート打設になります。

あー、コンクリート打設かぁー
いや、コンクリートはわかるけど、打設ってになに!?
となったブログを読んでいただいている方々、大丈夫です。僕自身も打設ってなんだってなりましたので、打設の由来について少し説明します。

広辞苑によると、【打設】とは
建設現場で、生コンクリートを流し込むこと。と表記されています。

この、型枠にコンクリートを流し込む作業は実は、ただ流し込んでいるわけではありません。
バイブレータという機械ををいて、振動を与えています。この振動を与えることによって、余分な水分や空気を外に出し、端から端までコンクリートを行きわたらせることができます。
昔は、バイブレータの機械がなかったため、竹で突いたり、ハンマーで叩いていたそうです。
そこから、「打設」という言葉が、使われるようになったそうです。

コンクリート打設について、見分をひろげたところで実際はどうだったのか書いていきます。

自力建設2020

自力建設の現場が3mほどの擁壁の下にあるので、馬を設置してコンクリートを流し込むことにしました。ミキサー車が上からコンクリートを流していきます。

順調に流れるかなと思っていたんですが、シュートの重なっている部分を超えた瞬間、シーソーのように、擁壁側にシュートが傾いて、コンクリートをぶちまけてしまいました。
そんな、トラブルもありながらコンリートを打設することができました。

自力建設2020

仕上げは左官屋さんに行っていただきました。
とても綺麗に仕上がり、左官屋さんの技術に感動しました。

コンクリートが固まったら、鉄骨の位置だしを行いました。
固定された、アンカーボルトを水糸から測り、鉄骨の加工図面に落とし込んでいきました。
この図面をもとに、鉄骨屋さんに鉄骨を加工してもらいます。
この図面で穴の位置がずれていると、鉄骨が据え付けられないという事態が発生してしまいます。

自力建設2020

鉄骨図面を書いて、鉄骨屋さんに送りました!!!!
という、ところで今回のブログはおしまいにしたいと思います。

次回、「上棟式に間に合わない!?」

次回は建て方と上棟式までのブログを書きますので、是非読んでいただける嬉しいです。

以上、木造建築専攻 1年生 杉山優真でした。