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2016年11月11日(金)

樹の器をつくる 〜グリーンウッドワーク指導者養成講座

グリーンウッドワーク指導者養成講座・第5回は「樹の器をつくる」です。

木でできた器には、いろいろな種類があります。たとえば・・・
挽物(ひきもの)・・・木を回転させながら削るもの。お椀など。
結物(ゆいもの)箍物(たがもの)・・・小幅の板を箍(たが)で丸く締めるもの。桶や樽など。
曲物(まげもの)・・・薄い板を熱で曲げて留めるもの。曲げわっぱなど。
刳物(くりもの)・・・木の塊を削り出すもの。こね鉢など。

これらの中には特殊な刃物や装置が必要だったり、技術的に難易度が高いものがあります。たくさんの人に森に親しみ、ものづくりを楽しむ機会を提供することが目的のグリーンウッドワーク指導者養成講座では、刳物を選ぶことにしました。一般的な道具で、比較的かんたんに作ることができるためです。

刳物の器づくりでは今から30年も前に「樹の器」という本が出ています。工業デザイナーで、木工の楽しみを多くの人に広めた秋岡芳夫さんの著作です(残念ながら現在は絶版)。秋岡さんはアイヌの木工技法も参考にしながら、さまざまな種類の生木をノミで彫る器づくりを提唱しました。私たちは日本のグリーンウッドワークを発展させていくにあたり、秋岡さんが遺したものを引き継いでいきたいと思っています。

 

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さて、今回の材料は、樹皮の表情や硬さの違いを感じてもらおうと、3種類を用意しました。下の写真左から、ヤマザクラ、イタヤカエデ(アカイタヤ)、カラスザンショウ。

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これをクサビで割り、

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削り馬で裏面を平らにし、表面の樹皮を少し削り取ります。削り馬を使うやり方は、秋岡さん流とはちょっと違います。

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あとはノミで彫っていきます。

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ノコギリで不要な部分を落とし、

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削り馬や平ノミなどで裏面を整えます。

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今回は参加者のみなさんに、用途を自由にイメージして彫ってもらいました。深く彫ってコップにしたり、浅く広い皿にしたり、さまざまです。

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10時から始めて4時過ぎには、こんなユニークな器たちのできあがり。カラスザンショウのブツブツの樹皮を生かしたいと、縁を思い切って大きく取った作品も。遊びに来る子供たちのために、飴ちゃんを入れておく皿だそうです。酒器になりそうな器もあります。

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1人で2つに挑戦した猛者も!しかも材は硬いイタヤカエデです。さすがに大変だったそうです。

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ご自宅に持ち帰っていただき、乾いてから塗装をすれば、木の美しさを保ちながら器として使うことができます。
これで今年度の指導者養成講座は5回目になりますが、参加者のみなさんの評価がいちばん高かったのは、今回の器講座でした。木としっかり向き合うことができて、できあがったものも実用的だからでしょうか。

30694976052_0df1483e7b_k 木の器づくり、さまざまな塗装も含め、もっともっと深めていきたいと思います。

 

准教授・久津輪 雅


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