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2017年04月19日(水)

「森林から木材暮らしへ1」演習林散策

先週から、新入生向けに始まった講義「森林から木材へ暮らしへ1」。
森林文化アカデミーで展開される講義をひと通り体験し、授業や教員の専門性を理解して、専攻を選ぶ手がかりにしていくための概論ツアーです。

今日の午後は「演習林散策」でした。

ベテランの教員たちが散策コースを選び、引率します。
クリエイター科新入生のみなさんは新品の装備で、地図を片手に、ついていきます。

要所要所で、横井先生の講義が入ります。
「このあたりで、杉の赤ちゃんを探してください。」
指差された先で、切り株に小さく顔を出しているのが、杉の幼木です。これで発芽から2年とのこと。
大きく育つには、いまより日射が必要ですが、辺りは親木の影になっています。
このように森林の管理について、現場を見ながら考え、学びます。

身近な植物についても学んでいきます。
「この木の実をちぎって香りを嗅いでみてください。なんの匂いがしますか?」
杏仁豆腐!と学生が言うと、
「いろんな例えがあるけど、それも正解。これはウワミズザクラで、この実をお酒につけて『杏仁香酒』というお酒をつくることができます」

「松の実が、ちょうど発芽したところですね。」

「これはコシアブラの芽。天ぷらにすると美味しいですよ。郡上の方ではソウルフードかな?」
教員が、周囲のあらゆる植物を解説していきます。
いままで知らなかった植物のことを知っていく喜びを、みんなで共有しながら楽しく覚えました。

演習林には、材木から炭をつくるために自作した窯があります。

完成した炭は、市販の備長炭に比べるとすぐに燃え尽きますが、着火しやすいので、サンマを焼いたりBBQをするには適しているとのこと。
炭焼きの作業は、学生に大人気です。

鹿から苗木を守るため、獣害対策の網が張られている様子を見学。
演習林では、伐採だけでなく、植林と育林も実習します。

最後は、種から苗木を育てている農園を見学。
大事に育てられている幼木を見ていると、山に入る前より、木が愛おしく思えてくるようでした。
種から育て、山に植え、管理して、伐採し、運搬して、売る。
アカデミーでは、林業に関わるすべての流れを、体験して身につけることができます。

「森林から木材暮らしへ1」は明日も続きます。

 

松井匠(木造建築 講師)