教員紹介
まつい たくみ

松井 匠

講師
専門分野 木造住宅の設計「木組の家づくり」
古民家の再生設計
ものづくりにおける美術の基礎
最終学歴 多摩美術大学 絵画学科 版画専攻
(銅版画クラス)
研究テーマ ・郡上八幡空き家プロジェクト
・ものづくりにおける美術の基礎

経歴

東京都中野区に生まれる。公園に行っても、地面に座って枝で絵を描く子供だった。

高校二年のときに、もっと絵が上手くなりたいと思うようになる。

東京芸大を目指して浪人するが、この頃、毎日一本以上映画を観るようになる。本を読み、インドへ行ったり、彫刻家若林奮を知って会いに行ったり、濃密な浪人時間を過ごす。

多摩美術大学絵画学科版画専攻に入学。銅版画クラスを選択。フランス、スペイン、モロッコへバックパック旅行をする。絵画制作の過程で「言葉」に興味を持ち、脚本家であった祖父の影響もあり小説を書くようになる。

卒業後、父の建築設計事務所で「木組の家」の設計に携わる。“民家に学ぶ木組の家づくり”を通して、歴史から民俗学、都市計画から一つの家の佇まい、山の保全から一本の手摺まで、社会を具体的に変えていく仕事というものを目の当たりにする。そのまま実務の世界で11年間過ごし「木組の家」の設計と古民家の再生、建築法規や設計事務所運営、温熱設計を身につける。

一般社団法人ワークショップ「き」組監事に就任し、安定運営に努める。

さらに勉強会「木組のデザイン」ゼミナールで講師を務める。受講生にデッサンや木組の架構、木組の家づくりに関する実務を教えているうちに、技術をわかりやすく人に伝えることにやり甲斐を感じるようになる

2017年、森林文化アカデミーに講師として就任する。

 

専門分野への思い

人間にとって家は、かなり長い時間を過ごす場所です。雨の日も晴れの日も雪の日も、風邪で体が弱っているときも、結婚したときも、人は家に帰って寝ます。家出した時でさえ、どこか別の家で寝ることがあるでしょう。

ひとりの人間が生まれてから死ぬまで、様々なことが起こるなかで、「自分の家に帰りたい」と思うとき、いったいどうしてそう思うのでしょうか。

「木組の家づくり」は、素直な家づくりです。むかしからそうしてきたように、地域にある身近な素材で、その地域の気候にあった屋根をかけ、いつ誰が住んでも居心地良く、安心できる家をつくります。そうした民家が集まって町並みをつくり、暮らしをかたちづくるのです。そして、民家は新しい技術や学術によって、いまでも進化し続けています。

森林文化アカデミーのある岐阜には、美濃や郡上八幡、飛騨高山や白川郷と、日本を代表する伝統的な町並みが多くあります。わたし自身が建築学科を出ていない門外漢ですので、生徒の皆さんと一緒になって、美しい木組の家づくりと古民家再生をさらに深く学び、町家の再生に関わりながら、人と家のことを考え続けて行きたいと思っています。

また、「美術」の基礎は、建築や木工を生業にしていても、なかなか習う機会がありません。機能、性能を統合する「美しさ」は、ものづくりにおいてとても大切なことです。美術はある段階までは、技術として習得できます。「美術」の習得を通して、創作活動に対する佇まいを学んでもらえたらと思っています。