活動報告
最近の活動
月別アーカイブ
2018年06月26日(火)

エンジニア科2年「森林植物同定実習2」

エンジニア科は、1年前期の「樹木の同定」で暖温帯に成育する樹種を中心に、基本的な樹種を、葉や樹皮で同定できるようにします(この授業では、市場に流通する樹種を材で同定できるようにもします)。さらに1年後期の「森林植物同定実習1」では、視野を広げて中間温帯や冷温帯の樹種を追加します。

 

キハダの樹皮

キハダの樹皮。皆、これはすぐにマスター。

そして2年前期のこの授業「森林植物同定実習2」では、これまでの復習を兼ねて、冷温帯の落葉広葉樹林で2日、暖温帯(演習林)で1日半の実習を行います。新たに出てくる樹種もありますが、多くは1年の時に同定できるようになっているはずの樹種です。これらの樹種がきちんと同定できるかの確認をしながら、樹種ごとの知識を深め、また同定能力を高めることを目指します。具体的には、

 

  • 葉があれば確実に同定できる。
  • 樹皮で同定できる。
  • 樹形や枝ぶりで同定できる。
  • 実生稚樹を同定できる。
  • 生態的特性(最大サイズ・初期成長速度・耐陰性・種子散布様式など)を知る(できれば実感として)。
  • 利用特性(用途・材の性質・加工特性・価格帯など)を知る。

 

ということが目標です。

 

ハリギリの稚樹

ハリギリの稚樹。チラチラ当たる陽斑が大事。

 

ミズキの樹形

ミズキの樹形。すぐマスターすると思ったが、意外と難しいのか。

 

最初のうちは葉を目の前に持っていかないと同定できなくても、離れた位置から何度も繰り返して観ることによって、だんだんとわかるようになります。そうしたトレーニングも行いました。

 

図鑑で同定

図鑑が引けるように、自分で同定。

この3日半で観察した樹種(『樹木の葉』による種名)をリストアップしておきます(漏れはあると思いますが)。

アカマツ シキミ ホオノキ シロダモ クスノキ タブノキ クロモジ カナクギノキ アケビ ミツバアケビ カツラ ヤマブドウ ネムノキ カスミザクラ オオヤマザクラウワミズザクラ ズミ カナメモチ リンボク ハルニレ ケヤキ ムクノキ エノキ ヤマグワ ヒメコウゾ ブナ クリ クヌギ アベマキ コナラ ミズナラ アラカシ シラカシ ツブラジイ サワグルミ ミズメ ヤマハンノキ アカシデ クマシデ サワシバ ニシキギ マユミ アカメガシワ バッコヤナギ ヤマウルシ ヤマハゼ ヌルデ イロハモミジ オオモミジ コハウチワカエデ ハウチワカエデ ウリハダカエデ ウリカエデ イタヤカエデ ヒトツバカエデ トチノキ カラスザンショウ キハダ シナノキ ミズキ ヤマボウシ ノリウツギ コアジサイ ヒサカキ カキノキ マンリョウ ヤブツバキ チャノキ ナツツバキ エゴノキ ハクウンボク マタタビ サルナシ リョウブ コバノミツバツツジ モチツツジ ネジキ シャシャンボ アオキ ヤチダモ アオダモ ミヤマイボタ ムラサキシキブ ヤブムラサキ クサギ アオハダ ソヨゴ イヌツゲ コバノガマズミ オオカメノキ ニワトコ タニウツギ ハリギリ タラノキ

ということで、エンジニア科2年生はこれら+αの樹種は、同定できるはずです(期待を込めて)。

 

試験風景

最終日の試験風景。現物の正解率は高い。現物が準備できない稚樹や樹皮は写真で。こちらは難しかったみたい。

 

報告:横井秀一