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2020年11月27日(金)

幻のパビリオン(アアルト模型製作ワークショップ2)

アカデミーで製作する建築は、幻の建築となっている「パリ万博のフィンランド・パビリオン」です。
現存するアアルトの傑作 ヴィープリの図書館と同時期の作品です。
この建物の設計者はコンペで決めたのですが、なんとアアルトが2案出してワンツーフィニッシュとのこと。
続くニューヨーク万博のフィンランド館(こちらはよく写真でも見ます)では、アールトが2案、アイノが1案提出して、それぞれがワンツースリーフィニッシュという、アアルトが乗りに乗っていた時代。
アアルト財団によると、このパリ万博のフィンランド館は、フィンランドスタイルを世界に知らしめた非常に重要な建物ですが、これまで模型化されてなくて知る人ぞ知る建築となっているとのこと。
今回模型製作をするにあたり、アアルト財団から貴重なアアルトの実施図面(300枚)を提供していただきました。
初めて見る図面ばかりです。手書きのスケッチや、各部のディテール、ステンドグラスのアイデアなども入っています。アアルトファンには垂涎の的でしょう。
ですが、建物写真はアアルト財団にも10枚ほどしかなく、全体像が見えてきません。
アアルトは現場でいろいろ変更することで有名。
今回も図面と写真の整合性が取れていない箇所が散見されます。
当時の図面を見ていると、その熱量に圧倒されます。
パビリオンの性質上、設計期間はおそらく短時間。その中で自国のシンボルとなる建物をどう表現できるか。
照明や家具に至るまで、丁寧な検討があり、写真と図面が食い違うということは、最後の最後までより良いものにしようという熱意が感じられます。
まずはこれらの貴重な図面を読み込むところから始めます。
手書きスケッチなども手掛かりに最終的な図面をイメージしてCAD化していきます。
さて、この模型がどのように活用されるかというと、来年3月から世田谷美術館、7月から兵庫県立美術館で企画されている展示会に出展するためです。
 『 AINO & ALVAR AALTO Shared Visions
アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド ― 建築・デザインの神話 』
この企画展のテーマは、アルヴァ・アアルトだけではなく、奥様のアイノ・アアルトがいたからこそのアアルトの建築であり、功績であることに焦点を当てています。

私も自宅で、Aino Aalto グラスを愛用していますが、シンプルな日常使いできるグラスで外側に凹凸があり、結露しても滑りにくいデザインとなっていたりと、機能とデザインが充実しています。
建物にもこのアイノの感性が入り込んで、ヒューマンスケールの暖かさがあります。

建築模型でどこまで表現できるか。楽しみにしてください。

展示会概要-----------
『 アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド ― 建築・デザインの神話 』
ホームページ:https://www.aino-alvar.com/index.html
主催館 世田谷美術館 2021年3月20日(土)~6月20日(日)予定
兵庫県立美術館 2021年7月3日(土)~8月29日(日)予定
主催:竹中工務店、ギャラリー エー クワッド
協力:アルヴァ・アアルト財団
後援:フィンランド大使館

准教授 辻充孝


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