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2018年07月27日(金)

ドイツ機械展Interforstを見に行きました。

インターフォレストという機械展に行きました。ドイツには他にもKWFの機械展もあり、それぞれ4年ごとに開催されるので、ドイツでは2年おきに大規模な機械展が開催されます。今回のインターフォレストは見本市場の会場を利用しており、雰囲気的には日本の林業機械展に似ています。KWFのように実際の山での実演はありません。規模は大きく、日本の機械展の4倍ぐらいの広さの会場で、ドイツだけではなくヨーロッパ各国(一部アジアから中国企業)から出展していました。

街中での開催なので、日本の機械展のような雰囲気です

 

印象に残った機械やツールを紹介していきます。

 

ポータブルウィンチ

日本にも代理店があり、自伐林家など小規模な林業事業体が導入していますが、もともとはレスキュー用に開発されており、林業用ではありません。ドイツにも代理店があり輸入していましたが、林業用に新規に開発して販売しているとのことです。

2サイクルで、水平を確保しなくても使えることです(従来品は4サイクルで水平確保するためのマウントが必要)。

 

ストッパーの機構を搭載(従来品は仮止めする必要があり、強いテンションがかかると外す際に指を巻き込まれる危険性がある)しており、安全に作業することが出来ます。水平を確保しにくい林業の現場でも使えるように2サイクルエンジンを用いるなど、林業用に特化しており、KWF-Profiの証明も取得しています(安全面、性能面で林業に適していますという証明)

使いずらさがあったら、すぐに林業用に開発しなおす会社が出てくるのは、さすが機械開発が活発なヨーロッパならではと思いました。

 

クサビ

インパクトや油圧を用いて打ち込むクサビです。今回の会場で5社くらいが展示していました。これだけを開発して販売するベンチャー企業のような会社もありました。

インパクトやレンチを使ってクサビを打ち込んでいきます。小さいもので15t、大きいもので40t程度の力で、木を起こすことができます。値段は小さいものでも400€からとかなり高額ですが、油圧ジャッキを使うより使いやすそうです。デメリットは重いことで、通常の間伐作業では使いませんが、100年生程度の直径の大きい木を伐採する際には有効かなと思いました。

 

なにより、インパクトや油圧の力でジャッキするので、リモコン操作ができるように応用できることです。木のそばに立たなくても遠くからリモコンを利用して伐採することができます。ドイツの機械化協会Kwfのスタッフも熱心に説明しており、安全を考えた伐採のためには今後普及させていきたいそうです。

 

VR積み込みトラック

ヒアブ、パルフィンガーともに展示していました。日本にも導入されており、昨年の日本の機械展でも同様の展示があったかもしれません。クレーン部分に運転席がなく、カメラを通して運転席から木材の積み込み操作を行うことができます。

すでに実用化されており、運転手は上手に積み込んでいました

 

運転席はこんな感じです。VRゴーグルをつけて、積み込み操作を行います。クレーン部分にキャビンを取り付けるのと同じくらいの価格で売り出したいそうです(今はキャビン操作型より高価)。

操作体験できましたが、視線のぶれなく積み込みできそうです。頭の動きを測るセンサーもついています。

まだまだたくさんの機械がありましたが、印象残った機械を今回は紹介しました。

 

日本との違いでいうと、林業機械を新たに開発したベンチャー企業が多く、会社をつくって1~5年程度の若い会社がたくさんありました。ヨーロッパ全土をマーケットとして考えることができるため、とても開発意欲が高いです。またローテーター、リモコン、林業部品の販売もあり、簡単に組み立てパーツを入手できるのだと思います。

 

以上、ドイツのミュンヘンで行われた機械展Interforstの報告でした。

 

杉本和也