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2018年07月12日(木)

第3期ぎふ木育指導員養成講座第2回目が行われました!

今回の講義は「ぎふ木育指導員スタートアップ2 〜森のおもい・人のおもい〜」と題し、主に都市部の課題や現状を学ぶ講義でした。
初めに、松井教授より、「日々の中で、木育を意識してほしい」というガイダンスがあったのち、
午前は、グッドライフ・サポートセンター事務局長の中島由紀子氏を迎え、現在の子育て世代の背景について講義がされました。

 


中島さんからは、「木育に相対するという事は、人に相対するという事。日頃から子育てに関わっているので、その現場についてお話しします。」というご挨拶から、お話が始まりました。
まず、中島さんがどのようにしてNPO法人を立ち上げられたのか、そのきっかけと経緯からです。
自身の子育ての経験から、女性の社会進出の難しさを感じられた事から、その方々をサポートするために、NPO法人を立ち上げられたとの事。岐阜県内で最初に立ち上げたNPO法人として、今も地域の皆様に支えられて継続しているそうです。
続いて、昔と今の子育てに関する違いについて、丸バツクイズが行われました。受講生の皆さんはまず個人でクイズを考えた後、グループになってお互いの答えを共有し、話し合います。
「離乳食は卵から?」
「おむつはできるだけ早くとった方が良い?」
など昔は良しとされていたものが、現在でも良いのかといったことがクイズ形式で出題されました。まさに現在子育て中の受講生の方もいらっしゃり、関心の高いクイズとなったようです。
「自分たちが育った時代、あるいは育ててきた時代と環境は変わっていますよね。昔は奥さん、家内と言われていましたが、現在では子育ては一緒にしなければという変わり具合です。そのことを認識して欲しい。」
そして、昔と今の環境の違いについてデータを元に解説が始まりました。
「子育て支援という言葉ができたのが最近。昔は、地域の人が支えていた。」
「百歳以上生きるという事は、すごい事である。いずれは65歳以上が日本人の30%をしめる。」
「女性の就労人口曲線を見ると、ほかの先進国と比べ、25歳くらいがピークでそこから急激に落ちている。これを外国と同じように政府はしたく、”輝く女性”、”働き方改革”がスローガンとなっている。」
「昔と大きく変わったもの、それは携帯です。今はスマホを皆が持っており、逆に固定電話を持っている人が少ない。」
「同じように悩みを持つ人が書き込んで話し合うwebページが多数あるが、同じ悩みを持っているというだけで、物事が解決するわけではない。」
「おじいちゃん、おばあちゃんともwebカメラでやり取りする時代。一人の赤ちゃんが関わる大人がとても少ない。」
また、スマホのアプリについても紹介をし、
「スマホに子守りをさせないで。脳に恐怖を与えているだけでしつけになってはいない。」
という事も教えていただきました。
続いて岐阜県の状況についても解説がありました。
岐阜県では、病院併設の保育所や、子育てタクシーなど子育てに対するサポートが充実してきているようです。ただ、そんな中でも、子育てタクシーを使って子供を迎えに行って、行く先は塾となっている事もあり、子供の居場所が塾しかないという現状もあるようです。
最後に、
「アイテムは木であるが、相手は人。アンテナを高くして、変わっていくことに対応しながら、子育てや高齢者に関わって行って欲しい。」
という言葉で締めくくられました。

お昼を挟んだのち、午後は、NPO法人もあなキッズ自然楽校理事長の関山隆一氏の講義でした。

関山さんが自然学校を立ち上げるきっかけについてまずはご紹介がありました。それは、レイチェルカーソンのセンス・オブ・ワンダーという本の一節でした。それを読んだ関山さんは次の世代に何かを残したい、幼少期に豊かな経験をしてもらう事を残したいと思い、自然学校を始められたそうです。
「子供を取り巻く環境は厳しいと感じる。遊びの貧困と言われている。」
「子供には遊ぶことは生きることだと伝えたい。」
もあなキッズでは、様々な取り組みをされているそうで、森のようちえんめーぷるキッズや、もあな保育園、めーぷる保育園などがあるそうです。
「普通の保育園であれば、卒園の時に親が初めましてとなることが多い。しかし、親も一緒に育てていくという方針で運営しているため、親同士のつながりも強い。」
「小学生になるまで、どこで子供が生きていくのか、を考えることは大事なことではないか。」
また木育についての取り組みもご紹介頂きました。
「木のぬくもりは、小さい子供でも感じることができる。」
「子供はみんな外に出れば棒切れを持つ。危ないという親もいるが、全然危なくない。したいことにふたをされるのは青少年期に歪みを生む。」
「木育だけ、森のようちえんだけが良いというわけではなく、自然の中で子供たちを育むこと、木に触れること両方が必要。」
「子供が自身で認識して遊ぶということが大切。」
また、森のようちえんでの一場面の写真を写し、受講生の皆さんにどんな状況かを聞く場面もありました。
「生まれながらに、共感する能力を子供は持っている。しかし今の幼児教育のシーンでは中々ない。」
最後に、宮大工職人のお話を引き合いに出し、
「反省と省察は違う。丁寧な眼差しで物事を見ることが大切。」
「見守る眼差しが必要。心配を持って見るのではなく、暖かい眼差しで見れるように子供達と信頼関係を作っていくことが大切。」
というお話を頂きました。

最後に、今回も木育カフェを行い、本日の講義の振り返りを行いました。

 

今回は最後に「今皆さんが思う木育とは」というテーマで話し合って頂きました。受講生からは、
「木育とは特別なものではなく、生活の中にあるということに気づくこと。そしてそれを伝えていくこと。」
「対で考えるのではなく、輪になって伝えていくこと。日常生活と切り離さないように。」
と言った意見が出されました。

クリエーター科 2年 若林知伸

キーワードは「多様性」。今回も様々な視点を獲得してもらう内容の講座としました。木育カフェは、前回に引き続き若林君が進行してくれました。スタートアップも終わり、次回からはいよいよ本格的な講座が始まります。WSの運営は現場経験の反復でないと培われません。

次回は3年目にはいった「ぎふ木育指導員養成講座」初の1泊2日の連続講座。。7月28日、29日の実施報告をお楽しみに!

講座主任 松井勅尚