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2017年11月11日(土)

択伐林施業を巡る熱い二日間

日独林業シンポジウム2017の特別セミナー『森林施業分科会』は、他の分科会とは異なり、少数の参加者で1泊2日の現地検討会を行いました。テーマは、「択伐林施業を通して持続的な森林管理を考える」。中津川市加子母と関ケ原町今須の現地の森林で熱い議論を交わしました。

参加者は、ドイツからロッテンブルク大学のハイン教授をはじめとする6人(うち3人は学生:1人は岩手大学に短期留学中)、日本からは10人(岩手県~鳥取県)、アカデミーから3人の計20人。

 

初日11月8日は、中津川市加子母。加子母森林組合が管理する2つの施業地を見学しました。

現地検討会に先立ち、加子母森林組合の内木組合長から、加子母森林組合の取り組みを紹介していただきました。オープニングから活発に質問が飛び交い、早速の時間オーバー。

加子母森林組合

 

お昼は、加子母の郷土食の「朴葉ずし」。

朴葉ずし

 

昼食後のわずかな時間を使って自己紹介。

 

1ヶ所目の現地、天然更新で下層木が育つヒノキ林です。実際の森林と資料とを見比べながら、森林の構造などについて考えます。

検討会1

 

2ヶ所目の現地、択伐の後にヒノキ苗を巣植えにした森林です。皆、組合長の話を真剣に聞いています。

現地2

 

森林組合が進めるヒノキ葉からの成分抽出についても、いろいろと教えていただきました。

現地3

 

夕食は、こちらも加子母のソールフード「鶏ちゃん」。結構な量を完食。話も大いに盛り上がりました。

 

二日目11月9日は、関ケ原町今須の知る人ぞ知る「今須択伐林」。

今須択伐林

現地4

 

地元のお三方(西村さん、吉森さん、西村さん)から、今須林業の歴史や森林施業についてのお話を伺いました。

現地5

 

今須林業特徴づける枝打ちに使う道具です。実際に身に付けて、使い方などを教えてくださいました。

今須の道具

 

今須では、4ヶ所の現場を回って検討を行いました。

現地6

 

いずれも森林研究所の調査地で、一番古い調査地は36年前の1981年に設置したものです。

下に示した胸高直径階分布図は、1985年に設置した調査地のものです。このように、過去から今に至る直径階分布の変化を見ながら、その森林に何が起こって、あるいは何が起こらなくて、こうした構造の変化が起きたのかを考えました。もちろん、今後どのように扱うのがいいと考えるのかも議論しました。

図1

 

最後に、ハイン教授から「ドイツの単木択伐施業」、バイエルン州のオクス氏から「山地森林の造成と管理のガイドライン」について講義をしていただきました。本当なら、その後に意見交換会を計画していたのですが、現地での検討が熱を帯びて長引いたため、泣く泣く割愛。帰りのバスの中で意見交換をすることになりました。

意見交換会

 

移動距離が長くて大変でしたが、二つの地域の択伐林の現物を見ながら、いろいろと考えることができました。初めて択伐林を見たという方、久しぶりに今須を訪れたという方、それぞれ考えることがあったと思います。それが、持続的な森林管理を考える一つの糸口になれば嬉しいことです。

それぞれの現地では、地元の農林事務所からもサポートをいただきました。多くの皆さんのおかげで、とても有意義な二日間を過ごすことができました。ありがとうございます。

 

報告: 横井秀一


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