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2017年02月09日(木)

子どもに還る・子どもに還す・・・MOTTAINAI工房

2月3日金曜日、「木育指導者セミナー~木工をベースとしたフォローアップ研修~」

いよいよ最終回、第4回目が行われました。

 

今回は最終回に相応しく?皆さん神妙な面持ちで会場に入ってこられました。

神妙な面持ち・・・なぜなら今回は、「スプーンを完成させてくる」という宿題が出ていたからです。

片手にスプーンを握りしめながら入ってくる方、

席に着いた途端にカバンからスプーンを取り出し黙々と紙やすりをかけ始める方・・・

皆さん、松井先生のチェックが入るとあって真剣です。

 

 

講座はいつものように振り返りから始まりました。

そして松井先生から一言・・・

「スプーンのチェックを受け、合格した方からMOTTAINAI工房に取り組んでもらいます。」

受講者の皆さん「・・・・」。

 

 

お一方ずつ松井先生のチェックを受けます。

不安そうな表情で恐る恐る差し出す方。

「やすりをかけ過ぎてしまいました~」と半泣き状態で差し出す方。

職場の方に太鼓判を押され、期待を込めて差し出す方。

スプーンをじっくりじっくりチェックする松井先生

固唾をのんで見守る受講者。

松井先生はスプーンに込めた思いを聞き取りながら、デザイン、やすりのかけ具合等アドバイスをされます。

アドバイスを受け、やり直し、再度チェックを受け・・・

一人、また一人と完成していきました。

 

 

スプーンが完成した人はMOTTAINAI工房の体験に移ります。

 

完成していない方はスプーンづくりを続けます。

 

 

MOTTAINAI工房とは現在美濃市内で試験的に行っている活動です。

受講者の方への詳しい説明は後からにして、まずは体験していただくことにしました。

市内、下牧保育園で園児たちが取り組んだ通りに体験してもらいました。

作品作りに不可欠の、木で作られた箱や素材を段ボール箱から出すのもすべて自分たちで行います。

自然物や家庭でゴミとされがちなモノを組み合わせて木の箱の中に作品を作り出すのです。

さすが保育園の先生、園児との関わりが多いからでしょうか?発想豊かにどんどん形が作られていきます。

素材を選ぶまなざし、何を形作ろうかと悩む姿、

「遊び」の中にある学び。

そこに学びがあるとは思いもせず、

この活動は子どもも大人も年齢関係なく夢中になります。

しかし、このMOTTAINAI工房には、フォローアップ研修2回目「ケア」につながる

大切な学びがあるのです。

私自身はこの活動に関わらせていただいて、

「遊び」の中に「こそ」大切なことがあるということを学び、

そして「子どもは子どもらしく」「大人は子どものように」

共に楽しみ、共に学べるこの活動に大変魅力を感じています。

短い時間の体験でしたが、受講者の方にもこの魅力が伝わったのではないかと思います。

 

 

と、ここで忘れてはならないのは

MOTTAINAI工房を楽しんでいる方たちの隣で、スプーンと格闘している方の存在です。

楽しそうな声が耳に入ってくる状況の中で、最後まで妥協を許さず黙々と取り組まれました。

松井先生の「合格!」に、部屋いっぱいに広がる「やった~!」という喜びの声。

やっと参加できたMOTTAINAI工房の作品にも大いにその喜びが反映されました。

タイトル「やった~!」

 

 

子どもの気持ちに気づくきっかけがあり、子どもの心に還ることができた今回の体験、研修。

その気づきを先生方の手で、携わっていらっしゃるお子さんたちに還元して頂けたらどんなに素敵でしょう。

園の先生方とお子さんたちが楽しく取り組む姿を想像し、心がホッコリしました。

タイトル「一寸法師」

 

タイトル「〇〇ザウルス」

 

講座の最後は感想交流をしながらのささやかなティータイムです。完成したMYスプーンを使ってみます。

やはり、手間暇かけたスプーンは愛着が湧きますね。

受講者の感想です。

「木はメンテナンスをすれば、また使える。これまでは傷んだら処分するという考え方でしたが、スプーンづくりを通して、直してまた使おうという思いが芽生えたのは自分でも驚きでした。」

 

「スプーンづくりは初めてでした。取り残される園児の気持ちがよくわかりました。でも最後まで頑張ってよかったです。認めてもらえる喜びを感じることができました。園児たちにもやらせてあげたいです。」

 

「自分の園で行われたMOTTAINAI工房の様子や、子どもたちの様子を見ていて、写真を撮ってもらったり、大人に『これ何?』と聞いてもらえたりすることも子どもたちの楽しみにつながっていると思いました。大人に認めてもらえる喜びや、関りが生まれることが大切なのだなと思いました。」

 

最後に松井先生はこう締めくくられました。

「食」に関わる道具は「使う(使い続ける)道具」です。そして命の存続に深く関係してきます。ですから妥協はできないのです。その場限りで楽しかったでは終われない厳しさがある。スプーンづくりは「生きる厳しさを味わう体験」が秘められているのです。

「大人が示すもの=先に生まれた者の使命」であると思っています・・・。

植物油を塗って完成です!

 

松井先生の言葉が心に刺さり、「先に生まれた者として、私は何を子どもたちに示していくのか・・・」

改めて自を見つめ、身を引き締める最終回となりました。

クリエーター科1年 吉田理恵

「顔に使った石が、持ち帰りたいくらい気に入りました!」

 

 

県内のみならず、鳥取県・石川県・愛知県からも受講者が集まったフォローアップセミナー。

全4回の参加本当にありがとうございました。

次年度は、これらを踏まえ、ソーシャルインクルージョンを見据えた勉強会を開催予定です。

研修主任 松井勅尚

 

 


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