活動報告
2016年06月15日(水)

ドイツ報告01-HAUS DES WALDES (ハウスデスヴァルデス)

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森林文化アカデミーの教職員、岐阜県森林技術開発・普及コンソーシアムメンバー、そして森林文化アカデミー学生による「ドイツ先進林業視察」で訪問したバーデンヴュルテンベルク州にあるHAUS DES WALDES(森の家)を紹介します。

 

森林内に現れる木造の環境教育施設のうち建物施設は大きく二棟、一つは訪問者が体験して遊びながら学べる下の写真の建物(建物-1)。

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もう一つの施設は、研修を主体とした木造の施設で、ここにはカフェも常設されています。

とにかく、この施設はブログで紹介できれないほど豊富な内容ですので、ごく一部の紹介であることをご理解ください。

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施設内には木製品がいっぱいなのは勿論、集成材や合板、OSBやCLTなど様々な素材を利用して、木製品や環境を考える品々が並べられています。

 施設内の展示は幼稚園・保育園児でも対応可能なレベルにしてあるのに、何故か大人がやっても違和感が無い。・・ここが重要なポイント

 つまり子供の視点で、展示が構成されているのです。

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下の写真のボックスは「風の道」、つまり町にある建物や街路樹などの樹木の間を、「風」に見立てたボールを転がして遊び、どのような配置であれば良いのかを体験することで学びます。

写真の幼稚園くらいの少年が動かす前は、30代のお父さんが10分ほど熱中していました。

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下の写真は広葉樹や針葉樹の配置を考えるもの、ことらも子供だけでなく、お母さんが熱心にやっていました。

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部屋に展示されたキツネも、単なる剥製ではなく、自然界で躍動する姿で展示されています。

普段、木材として意味のない樹洞木も、何か考える素材として意味がある。

なお、合板でつくられた台の下は空洞になっており、そこを子供たちが入って遊べるようになっています。

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なんと、施設のフロアーをお掃除している自動掃除機の上にも、キツネの剥製が乗っており、このあたりは相当お茶目。

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ほかの展示も、とにかく子供たちが展示に触れることで感覚を養い、感性を育てるようになっています。岐阜県にも同じような施設がありますが、子どもたちの食いつき具合が違う。

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まだありますが、次は二階の施設紹介。

各部屋に入る手前の廊下壁には、根を掘り出した樹木の展示。普段見ることがない樹木を支えており、栄養や水分を吸収してくれている根について考える。

これから、後ろ右側の部屋に入ります。

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これが入り口です。 なんと、黒い暗幕がかかっています。

つまり、部屋の内部は薄暗く、入って右側に各自が手に持つLED懐中電灯が数個設置してありますので、それを手に持って部屋内を散策します。

なるほど、子供にとっては、わくわく感、満載です。

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窓側は少し光が入っていますが、相当薄暗く、その中で展示物について、じっくり見ていきます

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部屋の奥と、左側、そして天井にも展示があります。

展示物はすべて手で触ることができ、各コーナーごとに、テーマのある展示物が並べられています。

そして枕(座布団)のところに頭を置いて寝ると、天井にあるモニターの映像を見ることができます。

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極め付きは、なんと天井にチェンソーマンとチェンソーまで取り付けてあります。

単なる自然保護的環境教育でなく、林業の重要性やチェンソー技術者の重要性も伝えています。

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部屋に入って右側から部屋を一周すると、最後に付箋に感想を書いて貼ります。この日もいろいろなドイツ語の感想が貼られていました。

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次に、隣の研修施設に入ると、スライド写真を利用したランプシェードがありました。これも面白い使い方ですね。

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野外の施設の一つを紹介しましょう。

これは、生態系のつながりを自分自身で体験しながら学ぶコースで、普通は一時間~二時間くらいかかるコースです。

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これは丸太支柱とロープが張られたアスレチックのような施設ですが、看板にあるように生態系の捕食者ピラミッドを、遊びながら学べるようになっています。

こうした発想がすごいと思いませんか。

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コースガイドを手に林内を歩くと、写真のように路面に敷石で進めべき方向が示されています。なかなかおしゃれじゃないですか?

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いくつかチェックポイントを過ぎたところに、一本の大木を掘り出して、その根も含めて展示してあります。そして木部も見えるようにしてあり、展示の中に樹木につて考える様々な仕掛けが施してあります。

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ほかの野外展示では、落ち葉の成り立ち、そこで芽生える広葉樹の育ち具合を立体的に解説してあり、そこから延びる歩道に入ると、同じような現物観察ができます。

これは単に理科的な内容だけでなく、林業や木材産業的な解説もされています。

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そして、芽生えから樹木の成長段階の解説と、人が木材として利用するために枝打ちしたり、伐採したりという作業も触れられています。

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ところどころに、ウッドデッキも設定されています。

そして、デッキの足元をよく見ると、穴が開けてあるところから何本かブナやナラなどが成長しているのもわかります。

この奥に行くと、林業で伐採された切り株がどうなるのか。腐った切り株や枝がどうなるかの展示解説があります。

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もう少し進んだチェックポイントには、育てた木材を収穫して何に利用できるのかの展示です。なんと、そのようなものが野外に展示されているのです。

日本ではありえませんよね。

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木材から洗濯バサミ、木のおもちゃ、木靴、ハンガー、器、家具ができること、などなど沢山の展示が並べられています。

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生活の中での木材利用も展示されています。

ペレットやオガライト、薪ストーブなど、木材の利用について参加自身がセルフガイドに沿って学べるようになっています。

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さて、今回は時間の都合でわずか2時間の滞在でしたが、真剣に施設全体を堪能するには1日あっても足りません。

何よりも印象的だったのは、日本の施設で見る子どもたち以上に、イキイキとした目で夢中に遊んでいるドイツの子どもたちでした。

みなさんも、機会ががあれば是非、HAUS DES WALDESをご訪問ください。

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。


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