木のおべんとう箱展 2025 製作レポート①
2025年10月3日(金) 4日 (土) 5日 (日)の3日間、美濃市うだつの上がる町並みで開催されるミノマチヤマーケットと同時開催で「かたちでつつむ 木のおべんとう箱展」と題して、木工専攻の学生4人が製作した弁当箱の展示・販売いたします。 (※ミノマチヤマーケットの開催日は10月 4日 (土) 5日 (日)のみとなります。)
4人の学生が製作したお弁当箱はどんな想いで作られたのでしょうか、それぞれにレポートしてもらいました。
森と木のクリエーター科 木工専攻2年の浅野 由佳梨です。
私は【指物】の技法を用いてお弁当箱を製作しました。
使用した材料は中津川市加子母のマルワイ製材所様にご用意いただいた、その地域のヒノキです。材料について問い合わせた際には慣れないもので色々不手際もあったのですが、代表の日下部様、そして加子母森林組合の内木様にサポートいただき、無事にお弁当箱の製作に入ることが出来ました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。
今回のお弁当箱の特徴的な点は2つあります。
1つ目の特徴は<色漆での彩色>です。
アカデミーに入学し塗装の授業の際に色漆についても学んだのですが、私自身、漆でこんなにカラフルな表現もできるんだ~!と思ったことから、それを皆さんにも知ってもらうきっかけになればと、お弁当箱に色漆を用いることにしました。
しかしどのように彩色を施すのか、柄は?色は?配置は?…と考えだすと、自分でもどれが良いのか、頭がパンクしそうな日々でした。別の授業で先生から「いろんな人に見てもらって意見をもらうといいよ」と助言頂いた経験から、デザインした絵や試しに彩色したものを他専攻の同期を中心に見てもらい意見をもらって考え直して…の繰り返しで、今回の図案に決定しました。
漆の塗装はステンシルの技法を用いています。レーザーで型紙を作り、それを蓋に載せてスポンジでポンポンと漆をのせていくことをそれぞれ3回か4回繰り返して完成になります。現代の機械を用いて、やっていることは浮世絵の様なアナログな作業で、大変なこともありましたが結果的にはなかなか楽しかったです。
色々な人に見てもらう中で、漆でこのような彩色ができることに驚いてくださった方も何人もいて、展示・販売前ですが狙い通りの反応を得られたことも良かったなと思います。
そして2つ目の特徴が<雇いざね>です。
と言っても雇いざね自体は珍しい技法というわけではないのですが、入れる位置を内側に出るように配置したことで、ほんの数ミリの事ですが内側は八角形になり、お弁当箱の角が洗いやすくなりました。しかしこれが本製作に入り後々苦労することに…。
今回の製作において最も苦労したのが接着剤を取る事でした。
これが本当に大変でした。特に先に挙げた雇いざねの周りに出てしまった接着剤を取る際に、事前に拭き取り切れなかったものを刃物を使って取っていたのですが、雇いざねを傷つけないように、でも接着剤をしっかり取るように…。とやっていると、あっという間に時間が過ぎてゆきました。この点は苦労したのと同時に、上手くできずにとても悔しかった点でもあります。
私としては今回の商品化の製作では、自分の未熟さが改めて浮き彫りになって大変悔しい想いがあります。ただ同時に製作を通して力がついた実感も、少しですがあります。
今の自分の持てる精一杯の実力で製作したお弁当箱。見に来ていただけると嬉しいです。
森と木のクリエーター科 木工専攻2年 浅野 由佳梨
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