自力建設2025「紡木人 tsumugito」学内発表を行いました!
7月9日、学生ホールにおいてクリエーター科木造建築専攻の1年生が、本年の自力建設「屋根付きチェーンソー練習場」の学内発表を行いました。
この学内発表は、5月に行われた「自力建設2025プロポーザルコンペ」による棟梁の選出を経て、引きつづき検討を重ねてきたチェーンソー練習場施設について学内のみなさんにその設計内容を発表する場です。当日は暑い学生ホールでの開催にもかかわらず、学生・教員方あわせて40名を超える方々が発表に耳を傾けてくれました。
早速、今回の自力建設の棟梁である奥村千里さんが、挨拶につづいて今回の屋根付きチェーンソー練習場のタイトルを「紡木人 tsumugito」と名付け、この場所を、①「安全で快適な空間」、②「かっこよさや魅力を発信できる空間」、③「誇りのもてる空間」とすることを目指し、木にかかわる人々の技術や想いを紡いでいける空間を創り出すコンセプトを発表しました。また、今回の自力建設プロジェクトでは、建物・植栽・芝を3つの軸に据えて、先日のプロポーザルコンペとその後のアンケートのコメント等でいただいた意見などから、建物についてチェーンソーでの伐倒練習に加えて枝払いや輪切りの練習にも対応できるよう配置や構造を工夫して全体計画に反映させたことなどを説明し、来年3月の竣工予定に向けたスケジュールの説明を行いました。
奥村棟梁につづいて、古池康彰さんと千々和駿さんがそれぞれ、チェーンソー練習場の敷地内で予定している樹木の植栽と、芝に関する計画を説明しました。
樹木は日陰をつくり、また、芝からの水分の蒸散には気化熱を要するために周辺温度は和らぎます。樹木はリョウブの木を2本、設計敷地裏の林など学内の他の場所から移植する計画を説明しました。また、現在すでに生えている敷地内の芝を部分的に移植すること、更に、芝をパレットを用いて増やし、建設予定地に来年3月に植え付ける計画を説明しました。
今回の自力建設では芝の栽培にあたって学内でのワークショップを開催して「芝主(しばぬし)」として芝を育成するメンバーを募るなど、あらためて奥村棟梁からも「皆さんと一緒に良いものを創っていきたい」と語りかける学内発表の展開となりました。
その後の質問の時間では、チェーンソー練習によって生じるおが粉の取扱いや、建築材が多量と見込まれる点について不足が生じることはないか、また、駐車場としても供用される場所における芝の強さや、その移植予定時期は適切か、などの提言を受け、今後の検討の視座を得ることができました。
芝を育成するパレット作りのワークショップは、学内発表の中で紹介しましたように7月31日と8月2日に開催いたします。皆さまの御参加を楽しみにしております。
木造建築専攻1年 森 光照