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2021年02月28日(日)

丸太から板、木材へ「簡易製材と木材乾燥」その2

実習の2日目は簡易製材棟Cobikiでの製材機操作のレクチャーから始まりました。先だって玉切りしたツブラジイの丸太を板に製材して、乾燥試験を行うためのサンプル板を作っていきます。
(演習林でツブラジイを切り出してきた実習初日の様子はこちら)

簡易製材機ホリゾンの使い方レクチャー

簡易製材機ホリゾンはレールの上に固定した丸太を移動式のバンドソーで板に挽く仕組み。

この実習で行うのは「100度試験」と呼ばれる木材の乾燥スケジュールを割り出すための乾燥試験です。木材はただやみくもに乾燥させればよいわけでは無く、できる限りねじれや割れを発生させずに乾かす必要があります。そこで重要になるのが木材を乾燥させるときの「温度」と「湿度」です。

木材がどれだけ水分を含んでいるかは「含水率」という数値で表します。どの含水率の段階では何度の温度で湿度は何パーセントの状態で乾かすのが最適かを詳細に知っておくことが木材乾燥では最重要であり、それを調べるための100度試験というわけです。

試験体の寸法に木取ります

ホリゾンで製材した板は皆で速やかに試験体の寸法に木取ります。

木取りした試験体は100度強のオーブンに入れて、時間ごとに重量と外部変形の状態を記録していきます。この作業を板の含水率がゼロになるまで3~4日ほど続けます。

試験体の重量を計測

時間ごとに試験体の重量を計測し、割れの状態を観察します。

試験体を乾燥用オーブンに入れた実習2日目、そして3日目は製材機に慣れるため、皆でできる限り多くの丸太の製材を行いました。今回板に挽いたのは、実習で伐採したツブラジイと林業の学生達が演習林から伐採したヒノキの丸太です。乾燥試験に使わなかった部分は学生達の自主制作に、ヒノキの板は来年度の学生の課題研究や製作実習で使用する材料になる予定です。

今回はチェーンソー製材も行いました

今回は学生自前の機材も使ってチェーンソー製材にもトライしました。

授業4日目はアカデミーの隣にある、岐阜県森林研究所で行いました。ここでは木材の乾燥試験を担当されている土肥さんに木材乾燥について教えて頂きました。この時に自分たちで行ったツブラジイの100度試験の計測結果も見て頂き、その数値をもとに乾燥スケジュールの組み立て方を解説してもらいました。

木材乾燥に関するレクチャー

森林研究所の土肥さんによる木材乾燥のレクチャー

実はこの100度試験、実験作業の手続き的にはそこまで難しくは無いのですが、計測数値を乾燥スケジュールに落とし込む作業は慣れていないとなかなか難しいところがあります。今回は自分たちで計測したり変形を観察したり、ある程度の作業を行っていたことで乾燥の仕組みについても理解できているようでした。土肥さんには自然乾燥と人工乾燥の違いや簡易含水率計の取り扱いの注意点、簡易な設備を使った木材乾燥の事例なども教えて頂きました。

今回の授業「簡易製材と木材乾燥」では、木工専攻に特化した内容で授業の組み立てを行いました。そのため、伐採作業は広葉樹伐採についての注意点に重点を置いたり、機械を扱わない林業技術を教えて頂いたり、木材乾燥についても、建材よりもより含水率を低くする広葉樹乾燥や大型設備を用いない乾燥技術をメインに構成しています。

一昔前であれば、これらは木のモノ作りをする木工家や家具職人が扱う必要はありませんでした。しかし、地域材の活用需要が増える一方で製材事業者が減少していく昨今にあっては、木工家が製材や乾燥についてある程度の知識・技術を持っていることは1つの強みになるのではないかと思います。この授業は他の木工技術を学ぶ学校では取り扱わない内容がほとんどですが「アカデミーらしいモノ作りの学び」として、今後も続けて行きたいと考えています。

木工専攻 講師
前野 健


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