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2021年09月10日(金)

演習林の山引苗でコンテナ苗をつくりました

クリエーター科の林業専攻の授業「林木育種」では,主に林木の遺伝育種に関する講義をしています。これまでに「遺伝学の基礎」,「天然林の遺伝的変異」,「林木育種」という3回の講義を行いました。今回は最終回ということで,遺伝育種と関わりが深い育苗に関する実習を行いました。実習の中で,演習林の山引苗でコンテナ苗を作ったので,その様子をご紹介します。

いつもは,4月に播種した当年生実生を使ってコンテナ苗をつくっています。しかし,今年は5月の乾燥で多くの当年生実生が死亡してしまい,数が少なくなってしまいました。そこで演習林の道沿いにあるヒノキの山引苗を使うことにしました(これまでにも何度か,不作の年は山引苗を使ってきたので,演習林のどこにたくさん生えているのかは熟知しています)。

今回は,40穴のマルチキャビティコンテナを使ってコンテナ苗を2つ作ることにしたため,最低でも80実生は必要です。良い苗を選んで作りたいので,100個体を目標に採取しました。学生さん4人と教員(玉木)の5人での採取だったので,時間はかかりましたが,十分量の山引苗を採取することができました。

コンテナ苗のための培土を作っている様子。良く混ぜることが大事です。

材料が揃ったところで,まずは土づくりです。大きなコンテナボックスにココピートとセラミック炭,肥料,水を入れて良く混ぜます。コツは,ココピートを良くほぐしてから炭と肥料を入れてさらに良く混ぜ,少しずつ水を加えていくことです。こうすることで,偏りのない培土をつくることができます。

苗を移植している様子1

苗を移植している様子2

一穴一穴ずつ,苗を移植している様子です。横に広い穴をあけて,根をうまく広げつつ移植します。

培土ができたらマルチキャビティコンテナに入れて,軽く圧縮します。そこに割り箸で穴を開けて,苗を詰め込んでいきます。ここでのコツは,丸い穴ではなく,横に広い穴をあけることと,苗を入れたら土をきちんと締めることです。土を締めるのは,山での植栽と同じで,根を土に密着させるためです。ここをきちんとやっておくかどうかで,うまく活着できるかどうかが決まります。

地面にひっくり返した網カゴを置き,その上にマルチキャビティコンテナを配置します。これが空中根切です。

最後に,空中根切のために浮かせた状態でコンテナを設置し,水をやって完成です。宙に浮かせた状態にしておくことで,水切れのリスクは生じますが,コンテナの下にはみ出した根が自然に枯れ,側根の成長を促すことができます。

今回は割と大きな苗をを使いましたが,9月ということもあり,春までに根鉢をつくるのは難しいと思います。ですが,1年後には山出しできる苗に育っていることかと思います。成長を楽しみにしていて下さい。

教員 玉木一郎


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