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2022年01月27日(木)

自力建設2021「木立のこみち」OSMOぬれちゃいました

歴代の自力建設の中で最大規模の「木立のこみち」。その木材を、塗装の初心者軍団で塗ってみました。塗装は難しいという先入観がありましたが、オスモカラーウッドステインプロテクターだと、想像していたよりも綺麗に楽しくぬれちゃいました。 

自力建設2021OSMO

これからOSMOで塗装しようか迷われている方、また来年以降の自力建設を計画する学生さんに向けて、段取りのコツや、塗装のコツを共有してみようと思います。実際にやって失敗して気づいたことに加えて、オスモ&エーデル株式会社の加藤さん直伝のコツもまとめておきますね。事前予習にもってこいの内容ですよ~。 

自力建設2021OSMO2

塗装前

①こだわりを踏まえて必要な木材と塗料を準備する
 設計意図を考えながら、思い出しながら、塗装後の仕上がりをイメージしていきます。僕たちは塗装サンプルを取り寄せて、皆でどの色が合うか話し合って決めました。過去の先輩は、表面仕上げの異なる2つの材を準備して、同じ塗料を塗ってみて、仕上がりがどうなるかテストしてみたそうです。より慎重に仕上がりイメージを確認したい場合は、テスト材に塗ってみるのもいいですね。表面状態が違うと異なる印象の意匠になります。

参考:自力建設塗装編。塗装の極意は心を込めることから。 

自力建設2021OSMO3

塗装予定の材を準備する際は、塗装面にメモ書きしないように注意してください。番付などの情報を塗装面に書いてしまうと、塗装後に読み取れなくなっちゃいます。塗装の不要な小口などにメモするのが賢いです。失敗して大工さんに教えてもらいました。

②各段階で必要な場所を確保する

塗装前・・・できるだけ邪魔にならない材の置き場所を確保する

塗装中・・・汚してもOKなブルーシートや新聞等を準備する

塗装後・・・できるだけ邪魔にならない材の乾燥場所を確保する

自力建設2021OSMO4

 

どの段階にも共通して言えるのは、事前に天気予報を確認しておくことです。

今回使用したウッドステインプロテクターは乾燥するまでに半日ほどかかります。

また外装用は1度乾かした後に2度塗りして塗膜を形成する必要があります。

全体の建設スケジュールに加えて、天気予報を見ながら段取りしておきましょう。

③忘れがちな小物を準備しておく

小物として、汚れてもOKな手袋とボロ布があると便利です。ボロ布があると、こぼした塗料を拭き取ったり、片付けをする際に容器などに付いた塗料を拭き取れます。刷毛(はけ)の洗浄液も忘れずに準備してください。僕たちは準備し忘れてしまいました。塗料を入れる容器に被せるカートリッジがあると片付けがとても楽になります。洗浄液の使用量を減らせるので事前に準備するのがよさそうです。DIYショップでは「下げ缶用カートリッジ」と呼ばれています。

 

塗装中

自分で塗装してみて、また塗装する皆を観察して大事なことに気づきました。

塗装でとても大事なのは、根気よく丁寧さを維持して塗ることです。

疲れてくると徐々に塗りが荒くなりがちなので、交代で休むのがいいですね。

自力建設2021OSMO6

加藤さん直伝、塗りのコツ

・ウッドステインプロテクターはシンナー等で希釈せず、よく混ぜておく

・刷毛に付ける塗料が多すぎると垂れてしまうので、容器の縁などで事前に調整する

・塗り始めだけが濃くならないよう「ポンポンポン」と全体に押してからのばす 

自力建設2021OSMO7

木立のこみちの柱材には背割れを入れたのですが、その背割れ部分がうまく塗れませんでした。倉庫にあった書道用の筆だと毛に塗料が固着してしまい、柔軟に隙間に入らずに綺麗に塗れませんでした。もし細かい部分を塗りたければ、平面用の刷毛以外に、何か適したものを準備しておくことをオススメします。

塗装後

塗る場所にそのまま置いて乾燥できるのがBESTですが、それが難しければ塗装後に移動させます。桟木などを引いて移動させたほうが、塗膜を傷めずにすみそうです。ちゃんと塗り終わったらどこにどうやって運ぶか計画しておきましょう。僕たちは格子に立てかけて数時間干した後に、屋根のある場所に移動させました。

OSMOにしてよかったところ

塗料には大きく分けると2種類あります。表面に塗膜を造るタイプと、内側に浸透して塗膜を造るタイプです。今回採用したウッドステインプロテクターは浸透型の塗料で、木材の表面を蓋してしまわないタイプでした。雨風や日光・日常の汚れから木を保護する一方で、木目を綺麗に残せて、触った時の感触も残せるので採用しました。実際に塗装した後にも木の本来持つ特徴が残っていて、OSMOにしてよかったと感じています。室内で利用する場合には、木の調湿機能が損なわれない点も見逃せない利点です。

また身近な生活用品に繋がる原料ばかりで作られていて安心感がありました。膜を造る主成分となる「樹脂」には、自然のひまわり油と大豆油を用いており、着色する「顔料」には、プロピコナゾール顔料を用いているそうです。プロピコナゾールは水虫薬にも使われる成分で、防腐・防カビ効果を期待して採用していると聞きます。塗りやすくするための「溶剤」には、ホワイトスピリットが採用されています。化粧水にも使われるヨーロッパ薬局方安全基準適合のもののようで、塗料によく用いられるシンナーのような匂いもなく、使用時に頭が痛くなるようなこともありませんでした。

たくさん失敗し、色々と苦労しましたが、塗装後は当初イメージしていた感じに仕上げることができました。サポートいただいたオスモ&エーデルの加藤さんに大変感謝しています。経年変化については未知数のところが多いので、自然環境の中でどのように変化するかとても楽しみですね。興味のある方はぜひ森林文化アカデミーで見てみてください! 

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森と木のクリエーター科1年 木造建築専攻 中島