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2016年12月10日(土)

竹を伐る、作る、使う 〜エンジニア科2年・竹林の整備と利用

ふだん林業を学んでいる学生たちが2年間のうちに4日間だけ、竹について学ぶ実習があります。かつてのように素材として用いられることが減り、価値を生まなくなり、あちこちで放置されている竹林。しかしこれまで豊かな文化を育んできて、新しい可能性も秘める素材であることを若い学生たちに感じてほしいという思いを込めて、実習を組み立てています。

 

まずは美濃市(マダケ)・関市(ハチク)の竹林を整備。このハチクは1300年の伝統を誇る長良川鵜飼の鵜籠に使われています。竹林整備を指導するのは卒業生の鬼頭伸一さん。アカデミー在学中に竹細工を学び、鵜籠づくりの職人となり、NPO法人グリーンウッドワーク協会・竹部会の代表として活動しています。

鬼頭さんたちは毎月1回メンバーで竹林整備を行っていますが、手が回らず放置された区画があり、風や雪で倒れた竹で林内が荒れています。これを伐り、道沿いに垣根のようにまとめていきます。竹は軽いので女性でも伐って運ぶことができ、みんなでやれば短時間で見違えるほど竹林が美しくなります。整備された竹林には凛とした空気がただよい、清々しいのです。

実習の帰りに、ちょうど美濃の町家で行われていた竹細工の展示会を見学しました。前述のグリーンウッドワーク協会が、地域の民具調査や、新たな注文制作をしたものを展示していて、メンバーの丸山哲司さんが案内してくれました。農業、漁業、和紙漉き、和傘製造など、この地域のさまざまな産業を竹が支えてきたことが分かります。

 

実習の後半は竹細工。自分達が伐採した竹(マダケ)を使い、2日間で竹ひごを作り、籠を編みます。こちらはやはりアカデミーOGで鵜籠職人の安藤千寿香さんが指導。幅4ミリ、厚さ0.6ミリ、長さ830ミリのヒゴを18本ずつ作りました。竹細工はヒゴづくりが7割と言われますが、その言葉どおり実際に1日半をかけました。

ヒゴさえ作ればあとは簡単・・・というわけにはいきません。このヒゴをこっちに挿して、と先生がやってみせる通りに編んでみる。そして間違える。ほどいて編み直し。でも「今年の学生はスジがいい」とは安藤さんたちの弁。

2日目の実習時間が終わる前に、全員が籠を編み上げました!家に持ち帰って使ってもらいます。さあ、何を入れるでしょうか。

2年間のうちのたった4日間にすぎないけれど、この体験は彼らにとって、きっと特別なものになるはずです。木や竹を伐る技術ばかりでなく、作って使ってみることの楽しさや感動もしっかり吸収して、林業や木材産業の現場へ巣立ってほしいと思います。
文:久津輪 雅