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2019年09月12日(木)

令和元年度岐阜県地域森林管理士養成研修(木材利用)を開催しました。

 9月3日(火)  岐阜県地域森林監理士養成研修の第9回目となる木材利用(建築用材としてのマテリアル)の講義を行いました。

 

 午前中は、岐阜県立森林文化アカデミーの辻准教授から、長良杉を使った木材準耐火建築物の事例として、岐阜県立森林文化アカデミーからほど近い『道の駅 美濃にわか茶屋』での取組についてご紹介いただきました。

この施設の建設にあたって、講師を務めていただいた辻先生も主体的に『構想から建築まで』まで関わられており、構想時のコンセプト段階から、どのような流れで施工に至ったのか、施工に至るプロセス段階での各主体への合意形成の難しさ、木材調達の手順や準備時間確保の重要性、長寿命化のためには、地域住民を設計時から巻き込んで、『地域の人が愛着を持てる施設づくり』をすることが欠かせないことなどを具体的に教えていただきました。

 午後からは、特定非営利活動法人WOOD ACの塩田氏より公共建築に木材を利用することについて、建築士の側からのご講義をいただきました。

 建築士が求める木材の品質や規格は、木材供給者側の意識と比較すると納期や量、材料強度などかなりシビアです。とはいえ、他の工法にくらべて木造が必ずしもコストがかかるということではなく、工夫すればむしろローコストに抑えることができるため、適切に木材を調達することができれば木造建築の可能性はより広がるというお話をいただきました。

 最後に、公共建築に木材を活用することにおける課題として、設計士側は木材に対する知識を向上させる必要があり、供給者側は需要者側の求める品質や規格を理解し、大スパン用部材への安定した対応や、性能表示の試みなど供給体制の整備が求められていることについて、お話がありました。さらに、発注者(行政側)に対して、木造の良さをいかにアピールできるかなどの課題をあげていただきました。