3 木育
「木育」 もの作りを教育や暮らしの中に落とし込む
2004年に木育という言葉が北海道で生まれてから、20年。木育の活動は日本全国に広がりを見せています。私達の周りには豊かな自然があります。その自然を背景とした「森と木からの学び」や、森や木との関りを活かして、人が「良く生きる」ための取組み全般を私達は木育と呼んでいます。
木工専攻では、もの作りの技術と木が持つ強みを活かして、多様な木育プログラムの企画と実践方法について学びます。学生達はそれぞれの関心分野やフィールド、対象に合わせたワークショップを企画して、木の持つ多様な側面を活かした体験ワークショップを実践します。その活動分野は教育、福祉、地域づくり、SDGs教育など多岐にわたります。
もの作りの体験や木に触れる場作りを通して、参加者どうしが仲良くなったり、森について詳しくなったり、身近な暮らしについてより深く考えるようになったり。アカデミーの木工専攻では、1人の作り手であると同時に、木工のスキルを活かして地域や社会で多様な活躍ができる実践者の育成を目指しています。
1年次に取り組む「木育講座の基礎」の実習では、エンジニア科1年生の学生を対象に、スツール(背もたれの無い簡素な椅子)の製作指導を体験します。この授業では、里山整備で切り出した雑木を使って、スツールを製作します。エンジニア科の学生達に身近な里山の木が家具にも使えることや、もの作りの楽しさを伝えることをねらいとして、プログラムの組立て方を実践を通して学びます。

道具の使い方を実演しながら説明する様子

枝の形を活かした、個性的なスツールが完成
2年次に進むと、今度は「木育講座の実践」の実習の中で、学生1人1人が、それぞれの関心分野や将来の進路を見据えた木育プログラムを企画して、実際にプログラム参加者を募る形でプログラム実践を行います。この授業では、林産業コースのエンジニア科学生も学生スタッフとして参加します。ともにディスカッションをしながら教材の開発に取り組んだり木育のプログラムの企画と実践方法について学びます。
学生が企画したプログラムの実践にあたっては、岐阜県の木育施設であるmorinosや木遊館、地域連携する自治体や企業などがそのフィールドになります。
「木育講座の基礎」と「木育講座の実践」を履修した学生は、卒業時にぎふ木育指導員の認定を受けることができます。ぎふ木育指導員の認定を受けた卒業生達は県が木育の普及を進めるために行っている、ぎふ木育教室や様々な木育イベントで、自身の強みを生かした木育プログラムを実践するプレイヤーとして活躍しています。