森と木のクリエーター科 木工専攻

2 デザイン・製作

地域資源の価値を高める「デザイン・製作」

森林文化アカデミー木工専攻では、地域の木をどう活かし、その価値をさらに引き出していくかを大切にしながら、デザインから製作までをじっくり学んでいきます。木工の楽しさだけでなく、素材を見極める目や設計する力、そしてそれを確かな技術で形にできる力を育てることで、地域資源を活かすものづくりを実践的に身につけます。

1年次には手加工や木工機械の基礎を学んだ上で、木工の基礎をしっかりと身につけるため、小抽斗やテーブル製作を行います。木取りや加工、組み立て、仕上げまで一連の工程を経験する中で、木の性質や加工の流れを自然と理解できるようになります。こうして基礎を固めながら、ものづくりに欠かせない丁寧さや段取り力、手仕事の確かさを養います。

 

また自分たちが日々使う工房の設備を自分たちでデザインし、製作する授業もあります。使う人の立場に立って考え、より使いやすく安全なものをつくる経験を通して、ものづくりに欠かせない「どうしたらもっと良くなるか」を考える視点が自然と身についていきます。この授業では木工CAD、デジタルファブリケーションの授業と連動しており、複雑な形や繊細な加工を高精度で行えるデジタルならではの技術を手仕事と組み合わせることで、デザインの幅も製作の可能性もぐっと広がります。

 

2年次になると、よりデザインや設計に力を入れ、家具の製作へと発展していきます。アイデアスケッチから図面化し、構造や強度、使い勝手なども考慮しながら計画を立て、自分で考えたものを実際に形にしていくプロセスを重ねます。

 


飛騨市の小径広葉樹や、学内や近隣で伐採された丸太を簡易製材機で板にし、学内のソーラー乾燥庫で乾燥させた材などを活かし、木の個性を引き出したオリジナルの家具づくりに取り組むことで、地域資源を使う意義や面白さを深く学びます。

こうして2年間を通して培うデザインや製作の力は、地域材の魅力を活かし、自分のアイデアを形にするための確かな土台となります。将来、地域や社会に新たな価値を届ける際の、大きな強みとなるでしょう。