本学について

学長ご挨拶

2020学長プロフィール用

 

岐阜県立森林文化アカデミー学長

涌井 史郎(通称:雅之)

 

 

ようこそアカデミーへ

日本は「森の国」といってもよいでしょう。国土面積の66%は森林であり、これは諸外国、たとえば中国14%、米国32%等と比較し、きわめて高い比率です。また森林と共にある山村、つまり森林率80%以上の市町村は全国に789あり、市町村全体の4分の1を占めています。ところが戦後の燃料革命や、非木質系資材の普及、外材の輸入等により、日本の林業は縮退傾向をたどる一方であり、過酷な現実に晒され、取り分け脆弱な地域、山村の苦悩は深まる一方です。

 

その一方、地球環境の未来を考えると、森林の多目的な公益的機能、とりわけ森林を健康な状態に維持増進する意味と意義は、自然と人の暮らしのより良い相互関係を構築する上で、極めて重要です。2015年末世界196ヶ国が参加しパリで開催された、COP-21において、京都議定書の次の枠組みに於いても、健全な森林の存在こそが最も有効な二酸化炭素の吸収源と位置付けられています。常に更新された健康な森林が、地球温暖化への処方である二酸化炭素の吸収に果たす役割が極めて大きいからです。そうした意味でも、県下揖斐川町で2015年10月11日に開催された全国育樹祭において、前例のない形で皇太子殿下御自ら択伐の所作をされたことは、近い将来に対し、大きな方向を示唆頂けるまことに意義深い出来事と申せましょう。

 

岐阜県は、日本で2番目の森林率を誇り、県内土地面積の81%を超える山村を抱えています。そうした県土の特性と、これまで述べた観点から、森林の多目的公益性、その存在効用と利用効用の両面にわたり、研究・教育・実践を行おうとするのが本学の狙いです。森林から山村、そして里山から都市に至るまでの人々と森林の関わり、森林と林業家の双方にとり安全であり健全、そして合理的な経営への技術・技能と経済学的な視点、木質系資材とその利活用のためのデザインなど、林業の複合的要因を、山元から加工・流通、そして利活用に至るまで網羅的でありながら体系的知識と実践が学べるキャンパスといってよいでしょう。美しい森林に囲まれた歴史と伝統あふれる美濃のまちのそば近く、それも30haに及ぶ演習林もキャンパスで、少数精鋭、しかも教員とほぼ1対1で森林・林業の課題と各々の未来を語りつつ、体系的に同じ目的を持った学生と共に、専門職大学院レベルから技術専修に至るまでを一貫して学べる我が国唯一の学び舎です。

 

さらに、地球環境の持続的未来を担保する重要な要因が森林であるとの認識を共有する、ドイツ・ロッテンブルク林業大学との交流が3年目となり、日独森林シンポジウムが交互に開催されています。もとより学生も積極的に参加し、双方の往来が本格化しています。皇族殿下から世界各国、そして国内からも引きも切らない来訪者を数える本学の教育とその成果を、皆さんと共に未来、そして我国のみならず世界に発信していこうではありませんか。

 


経歴

1945年神奈川県鎌倉市生まれ。

東京農業大学に学んだ後、東急グループに1972年造園会社を設立。代表取締役就任。

2000年に桐蔭横浜大学・教授・先端医用工学センター長就任。

2003年 日本国際博覧会(愛・地球博)会場演出総合プロデューサー就任。

2006年 桐蔭横浜大学特任教授兼務のまま東京農業大学客員教授。

2007年 中部大学・教授、現中部学術高等研究所客員教授。

2009年 桐蔭横浜大学退任。同年東京都市大学・教授就任。

2013年 第39回全国育樹祭総合アドバイザー就任。

2016年 東京都市大学特別教授就任。

(公財)とうきゅう環境浄化財団理事、(公社)国際観光施設協会副会長、(一社)日本公園緑地協会副会長を務める傍ら、国、地方公共団体の各種委員会委員、委員長等を務める。


涌井史郎学長から新入生の皆様へ

令和6年度 岐阜県立森林文化アカデミー入学式 学長式辞

 諸君ご入学おめでとう。今日の良き日に、本学は、森と木のクリエーター科22名、森と木のエンジニア科20名、計42名を新入生として迎えることとなりました。私をはじめ教職員一同、諸君をここに迎えることは喜び一入であります。
何故かと申せばそれは言うまでも無くパンデミック・コロナとの闘いであります。その戦いも一段落を遂げ5類と法的に位置づけられ、凡そ3年に亘る苦しみから解放されようとしています。
この間、我々は、感染阻止を一番と捉え、次に就学に働く不利益を最小化する努力でした。入学式も卒業式も簡略化を旨とし、感染防止を優先。関係者のみで式典を挙行して参りました。先月開催した令和5年度卒業式は久々に御来賓をお迎えし、晴れがましく卒業生諸君をお送りすることが出来ました。

 そうした苦境を耐え、漸くここに、本学を支援して頂いている多くの御来賓をお招きし、晴れがましく、又にぎにぎしく諸君を本学の同志として迎えられる式典を挙行できる事は、まさに喜び一入という感慨を呼ぶのであります。
 さて、本日御来賓のお立場でご列席を賜った、林野庁など国の機関のご関係者。岐阜県知事を筆頭とする林政当局。そして県会議員の先生をはじめとする県関係者。地元美濃市など本学と連携協定を締結して頂いている県下自治体の首長様並びにその代理の方々。そして奨学金給付などのご支援を賜っている県下金融機関や個人の篤志家の皆様。さらに本学を事務局とする林業・林産業の産業界で構成された「岐阜県森林技術開発・普及コンソーシアム」等の御関係者の皆様方に対し、高いところから恐縮ですが、改めて本日のご出席と日頃のご支援に対し篤く篤く御礼を申し上げます。

冷静に考えてみますと、あのコロナ・パンデミックは今という時代を実に象徴する出来事でした。そして必ずや近い将来にあってこのパンデミックが、ある種の文明史の転換点となり、社会的大変容をもたらしたと評されるに違いないと確信しております。世界史上、文明史の転換点には、ある種のパンデミックが必ず働いている事実を見ることが出来ます。この文明史の転換点に置かれるであろう諸君は、そうした時代を生きる事への認識を確かなものとせねばなりません。 
よってこのウイルスとの戦いの記憶を、諸君は、自分や家族の感染との闘いといった次元。内向きで、狭小な話題に押し込めてはなりません。どうしてコロナの件をそのように大袈裟に、しかもこの目出度い式典の中で、敢えてお話しをするのでしょうか。
それは、世界史に遡ります。世界が歴史の大転換を果たした契機のいずれもが、そのパンデミックにあったという事実があるからです。

例えば、中世が近世に大転換をしたきっかけは、13世紀、その途上ペストに罹患したモンゴル軍が西へ西へと勢力を拡大し、遂に東欧諸国にまで進出し、自ら感染したペスト菌をクリミア半島経由で欧州に拡散させたという事実から始まります。その結果、黒死病と名を冠されたペストにより、当時の欧州人口の約3割が病没したと記録されています。それを契機に暗黒の時代とも称された教会支配の中世封建社会が、何ら対応できぬ教会への不信に起因して内部崩壊を呼び、北ヨーロッパではプロテスタントが芽生え、南に於いては、真理に迫る科学と、伸び伸びとした芸術が復活したルネッサンスが起き、中世は幕を下ろし近世へと文明を大転換させました。
その近世もまた、16世紀に始まる大航海時代には南北両米大陸の先住民を欧州由来の伝染病で通算9割に近い原住民を死に至らしめ。その反面で19世紀初頭、インドを起源とするコレラが欧州、アジア、日本にも蔓延し、ペストと同様、多くの人々を死に至らしめました。

とりわけその頃の欧州は、産業革命の勃興期にあたり、多くの都市労働者を必要とした時代でもあります。農村から急速に流入した労働者階層の多くは、不衛生で稠密な居住環境にさらされ、そこにコレラが直撃したのです。その結果産業革命を停滞させる状況を生み出しました。そこで労働者階級という社会階層の存在を認め、その権利と義務や、その生活環境を整える為に、公衆衛生学に由来をした都市計画が誕生し、公園や、上・下水道、そして道路等の整備が進みました。つまり近代への脱皮です。 
その後も、結核の流行や、第一次世界大戦直後のスペイン風邪が世界に大流行した事実はありましたが、近代は引き継がれてきました。

なぜこのような文明史を長々とお話しするのかと言えば、今学びを志し、この場に居られる諸君は、このような世界史の大転換(transformative change)のど真ん中にいるという事実を認識する必要があると考えるからです。コロナ起因のパンデミックを今我々がやり過ごす事が出来たとしても、もう元の近代に戻る事はあり得ないし、これから起きる社会的大変容、いや我々の持続的未来を考えるならば、社会的大変容を起こさざるを得ないという事実です。
それは今我々が、人類存亡にも関わる危機に直面しているからです。それを一言でいえば、プラネタリー・バウンダリー、つまり、地球の環境容量の限界が年ごとに加速しているという事態です。
エネルギーと動力と機械を生み出した近代は、それに頼るあまり、我々をして、衣食住という日常が、自然の恵みつまり生態系サービスに支えられているという事実を置き忘れてしまいました。

自然をリスペクトし、保護・保全・再生への配慮を怠るばかりか、科学技術が自然の力を凌ぐかのような錯誤に陥いっています。その錯誤こそが、持続的未来を危うくしているのです。我々人間は、凡そ3300万種と言われている生物界の中の1種でしかないのです。その人間が無頓着に地球の生命圏、生態系システムに大きな負荷をかけ、しかもまだまだこれ以上がある筈と、貪欲に溺れるあまり、とうとう自然の奥深いところに静かに存在していたウイルスを引き出し、人獣共通ウイルスに変異させてしまいました。それが、このパンデミックです。
その様に考えれば、本学での我々の学びは、自然の叡智の奥深さを学び、人類の傲慢さとその限界を知り、それに対処する為の一コマの学びというべきなのかもしれません。

2022年末、漸く世界は自然の力を改めて見直し、地球上のたった20から30kmの厚みしかない薄い膜のような生物圏の存在こそが、我々に持続的未来をもたらす事を再確認し、その力を保全するための努力を協約しました。それは、カナダのモントリオールで開催された第15回生物多様性条約締約国会議であり、2030年の中期目標を「ネーチャーポジティブ」とし、自然の力の反転的回復をしなければ持続的未来はないと確認し、その為に具体的行動を促す宣言を致しました。その為の具体策。陸域の30%水域の30%を法的に保護する30×30も議定したのです。

つまり現在抱えている我々の社会的課題の解決を、近代文明のエンジンとでもいうべき工学的・化学的手法で探るばかりではなく、探り出した方法や手段、つまり製品や技術が、生態系のメカニズムに負の影響を与えるものであるのかを評価選択し、逆に先ずは自然生態系が持つ力を可能な限り利活用する事により社会的課題解決の道を探り選択するという「NbS」そう「ネーチャーベースドソリューション」の原則に従う。そして常に人類は生態系の一部という峻厳な事実を再認識し、如何に自然との共生の世界を再構築するのかという倫理観に支えられた、新たな文明を模索し始めようとしています。

 今日から、本学の一員となる諸君。諸君を含めた我々は、自然の主役、森林という生態系の基盤を対象に、科学的知見とそれを展開した技術を理論並びに五感・体感を通じて学ぶために、真理が凝縮している現場、つまり自然の只中(フィールド)に向き合い学ぶ道筋がいよいよ始まります。
プラネタリー・バウンダリーが迫る中、森林という存在の持続的未来に果たす役割はますます大きくなる一方です。諸君は人類がその生存への持続的未来を確保する為に必要な森林をあらゆる角度から学び、しかもそれを生きるための生業にしようとする覚悟で学ぼうとここに集った訳です。それはただ単に自己実現を図るばかりではなく、一隅を照らすが如きの、僅かな片隅の明かりではあってもそれが全体を照らし出すことに繋がる、誇り高き学びなのです。

例えば、グローバルな視点からは、地球温暖化や気候変動に対するCO2の吸収源。多様な生物の母胎、或いは真水の供給源といった地球の生命圏そのものへの貢献、ローカルな観点からは、奥山・中山間のような農業やモノづくりに於ける条件不利地に置かれながら唯一地域経済に貢献できる力を有する森林資源を如何に経済価値化するのかについて等、多様な学びが今日から始まります。

 さて、本学は、2001年4月「森林と人との共生」を基本理念とした全国初の幅広な森林教育・学習機関として開学。その基礎は、1971年に開校した岐阜県林業短期大学校であり、その30年の教育成果を踏まえた開学であります。
我々は、「現地現物主義」を教育方針の根幹に据え、少人数による個別指導、既存の枠組みにとらわれない自由で実践的なカリキュラム、地域の課題解決を主眼とした研究と教育をめざしております。何故ならば、立地によって異なる森林の構成や樹種、或いはそこから生まれた素材などの森林空間や素材としての質的特性と向き合う中で、材の伐出や加工の技の選択が、自然との相対性の中で決定される要因が大きいからです。まさに、如何に自然と向き合うのかが、あらゆる教育分野に於いて重視されるからです。

先に述べたように、我国は、国土面積の67%を森林が占めています。まさに「森の国」であり、その中でもここ岐阜県は県土面積の81%を森林が占める全国2位の森林県です。しかしながら本県を含め、我が国の森林が、今日目にする蓄積量を持つに至ったのは僅か数十年の歴史でしかありません。実に新しい姿なのです。
そうした森林と共に生きる山村、つまり林野率80%以上の市町村は全国に350も存在し、我国市町村全体の5分の1を占めるに至っています。また、資源と言う観点に立てば、その蓄積量は、過去50年間で2.8倍、人工林では約6倍に達する成果を生んでいます。
しかし皮肉なことに、そうした先人の汗と知恵の努力が歴史に刻まれながら、その成果である森林・山村が、短期的に見るならば現在極めて困難な状況に陥っています。

先にも触れたように、グローバルにもローカルにも関わる大課題に対応し得る多面的公益性を有する森林は、何と単一の側面からの評価。例えば木材価格という側面だけで評価されてしまう時代が続きました。それも唯一自給が可能な木材が、住宅などの建築工法の変化に対応した外国産材との価格競争に晒され、単一の経済評価の観点からですら競争力を失い、他の公益的機能を置き忘れ、管理を忘れ放置される森林が増加してしまう事態が続いています。まさに自然、森林に対する不当な評価です。
その結果、我が国の森林と、それを支える山村が逆境に喘ぐ状況に貶められています。森林を守り育て、材を搬出することにより暮らしの糧を得てきた山村、それを支えた森と生きる人々や歴史に培われた伝統文化の知恵が消滅し、森林を健全に維持し、安全に合理的・経済的に伐採・搬出、育樹するための技能や技術等、森林とそれを擁する地域の双方が今まさに危機に瀕しています。

我々は、率先垂範して地球という命に満ちた奇跡の星に、持続的未来を描き続けられるよう、森という現場で学び続け、持続的未来を充足する重要な役割を担う者であり、時にそれを説く者であらねばなりません。植物という生態系の基盤、その最大化されたランドスケープである森と共に人々が生き、幸せを獲得する為に、最前線から、行動・実践し、時には先導せねばならないのです。
先にも申し上げた通り、森林空間は、商品取引の対象としての木材資源を生み出す価値にも大きな意味がありますが、グリーンインフラとしての多面的な公益性を持つ極めて重要な空間です。またその優れた景観は多くの人々にやすらぎを提供し、日々のテクノストレスからの解放にも貢献できることへの認知が進み、今や世界中に、そうした森林空間を楽しむための多様な「森林サービス産業」への芽出しの動きが活発になろうとしています。

諸君らは、本学の学びを通じ、先ずは林業を経営的に魅力あるものとし、次いでありとあらゆる知恵を動員し多面的公益性を経済価値化する方向を目指し、様々な森林に関係する多様な知識を得つつ、森林を科学し、技能・技術の体得を磨き、新たな森林や森林資源の魅力を磨き上げ経済価値化する事にも努力を傾注してください。
以上の意味から、森と木のクリエーター科と森と木のエンジニア科の2学科それぞれに与えられた2年間は、諸君自身の自己実現の為のみならず、多くの課題を抱えた世界や我国の森林・林業の現場にとっても重要な学びであり、そうした学びに勤しむ誇りをもたらす理解と自覚を深めて頂ければと、改めて期待したいと思います。
それにしても、2年という時間は短くもあり長くもあります。その間、時には力尽きそうな時があるかもしれません。そうした時には、先ず諸君が自身に問いかけてください。人というものは自分が存在する価値に加えて、誰かの為に存在するという価値感を糧にしてこそ、生甲斐を得ることが出来る、唯一無二の存在です。

在学中、様々な悩みを抱える事も大いにあり得る事でしょう。個人的な事ではありますが、かく言う、私自身も、これまでの78年間の概ね60年もの個人史の中で、何回か力尽きようとしている自分があり、そのピンチを多くの良き仲間に救われて今に至っています。
そうした頼りがいのある仲間の存在が、先輩や同級、そして教職員、本学の中には満ちています。これまで旅立った諸君らの多くの先輩が口々にそうした体験を語ってくれています。
どうか今日の初心を忘れず、一人に閉じ込まらず、先ずは自分の心を開いてみてください。自分が心を開けば、必ず他者も自分に心を開くものです。我々教職員は、諸君が最善の航路を選択できるよう努力を惜しまぬことを誓って止みません。

本学における2年間は、必ずや、諸君の自己実現と共に、諸君の明日を照らすに相応しい意味ある2年となりましょう。更に高みを目指す学生には、交流協定を交わしているドイツのロッテンブルク林業大学に学ぶ機会も用意されています。現に諸君の先輩は、このパンデミックの中、ロッテンブルク林業大学を拠点に、高い評価を得ながら勉学に勤しみ、時に帰国し在学生と深い交流を重ねています。
また、市民と森林の繋がりを確かめ、多くの知見を得られる場所と機会も諸君の周囲に多く用意されています。岐阜市内には、幼児の時代から森や木を身近に感じて貰う「ぎふ木遊館」がありますが、本学構内には全世代型のドイツ語でいう「森の家・ハウスデスバルデス」をモデルにした森林総合教育センター「モリノス」が、国内外からの人々を誘っています。

諸君はこうした施設に集う方々から、多様な世代がどのような森を楽しもうとしているのか、森について何を知り、どのような体感を得たいのかを直接学ぶ事が可能です。ここに集う市民や子供たちとの出会いを通じ、諸君自身もまた成長を遂げる事が出来ると信じています。このような様々な現場と機会を利活用し、森林の維持管理に対する企画力、創造力を養い、林業、森林環境教育、木造建築、木工の指導者となるために、自己実現と符合した解をこの2年間の中で見出す道筋が、本学には用意されています。
さらに、先の御来賓の紹介でも触れた本学を事務局とする「森林技術開発・普及コンソーシアム」参加企業が、幅広にインターンシップの受け皿としての門戸を開いてくださっています。在学中には生きた現場の最新の情報を提供し、更に多くの卒業生の就職をも受け入れて下さっています。

これら多様な本学のネットワークやチャレンジングな機会を、諸君は積極的に利活用し、多様な学びの分野から2年後には各々の自己実現の道筋を見出してください。
我々も又、諸君が日々前向きになれるよう、諸君をより望ましい方向に導けるよう、諸君と一体となり、進化を遂げていく所存です。
 そして、人々が自然の一員として、自然と共生しつつ、そのウエルビーングな暮らしを担保できる新たな文明像を森林というカテゴリーから追い求めましょう。そうした志が、本学に学び教える全ての人々と、今日ここに迎えた諸君を加え、しっかりと結び付ける事となりましょう。
ともあれ、改めてご入学おめでとう。
そして高いところから恐縮ではありますが、重ねて、本日ご来会の御来賓並びに保護者の皆様方に改めて御礼とお祝いを申し上げさせて頂きます。

令和6年4月9日
   岐阜県立森林文化アカデミー
    学長 涌井 史郎