イベント
開催日:2020年09月19日 (土)

グリーンウッドワーク指導者養成講座2020 過去の参加者の声をご紹介します①

グリーンウッドワーク指導者養成講座は2年に1度開催しています。2018年は日本全国から森や木に関わるさまざまなジャンルの方たちにお集まりいただきました。森林の研究者、地方自治体の林業系職員、造園業経営、木造住宅の建築家、大工の専門学校講師、木工家、家具製作会社職員・・・。講師が受講生に指導する一方通行の関係だけでなく、受講生同士からもたくさんの学びがありました。

募集開始から2週間で、すでに定員の4倍を超える申込みをいただいてうれしい悲鳴ですが、グリーンウッドワークをなるべく多くのみなさんに広げていけるよう、地域、年代、性別、今後の活動予定など、さまざまな条件を考慮して受講者を決めさせていただきます。引き続き、6月26日(金)までお申し込みを受け付けています。

2018年の参加者のみなさんから、コメントをいただいたのでご紹介します。

 

丹羽明人さん

丹羽明人さん 建築家・丹羽明人アトリエ代表

2018年3月に開催された、ジャロッド・ダールさんの「One Tree〜一本の木から」への参加をきっかけに、すっかりグリーンウッドワークにはまってしまいました。

“斧やナイフといったベーシックな手道具で、そこに生えている木を削る”、この素朴さがたまらなく良いですね。ヒンヤリとした生木の触感とその香り。削るごとに現れる木目の美しさ。森の中で鳥の声を聞きながら、まさに五感で楽しめるものづくりです。さらには、出来たものが暮らしの中で使って楽しめる実用的なところも魅力。是非この楽しさを多くの人と共有出来たらとの思いから指導者養成講座にも参加致しました。

講座は基本のナイフワークから始まり、スプーンや我谷盆、ゴッホの椅子づくりは時間が過ぎるのも忘れるほど楽しいものでした。更に、森の再生や里山の活用に関する講座は本業の建築にも通じる内容で、大変勉強にもなりました。また、怪我の応急手当や傷害保険についての講座についても、今後指導者として活動していくにあたって大変参考になる内容のものでした。
日頃は「木の家」の設計を手掛けていますが、施主をはじめ周りには「木」が大好きな方も多く、グリーンウッドワークの話しをすると“是非、私もスプーンをつくってみたい!”と大好評。じわじわとその輪が広まりつつ有ることを実感しています。

グリーンウッドワークに出会って二年が経ちますが、我が家の食器棚にはずいぶん沢山のスプーンやカップが並びました。木の食器で味わう食事の味は格別で、家族にも好評です。
これからもグリーンウッドワークを通して、木の魅力を沢山の方に伝えていければと思っています。

 

倉島寛さん 林業技術者・市役所勤務

市役所の林業技術者として働いています。伐採したばかりの生木が使えて、大げさな機械が必要ないグリーンウッドワークのことを知って、森の恵みを直接体験してもらうプログラムとして決定的だ!と思い参加しました。

独学もしていましたが、やはり基礎から教えていただくと違います。先生とスタッフの皆様の教え方が上手なのに加えて、受講生にも森林の研究や木工、木材流通の分野のプロがいらっしゃって、世界を広げることができました。

もともとブッシュクラフトやナイフワークが好きなので、受講後はナイフや斧だけでできるスプーンを中心に制作しています。昨年は、地元の森林組合の技能職員の方々にグリーンウッドワークを体験してもらう機会をいただきました。また、森林ボランティア団体、NPO法人信州フォレストワーク主催で、スプーン削りの講習会を2回開催することができました。今年度も、夏以降に何回か開催できればと考えています。

グリーンウッドワークを通して、生木へのアクセスがいいから森林のそばに住みたい、というような方を増やしたいので、自分制作の技術はもちろんですが、教える技術を身に着けたいと思います。

 

朝倉亨さん

朝倉亨さん 木工家・京都炭山朝倉木工 代表

普段はオリジナルとオーダーメイドの家具製作を生業としています。グリーンウッドワーク指導者養成講座の受講動機は2つありました。

一つ目の動機は、木工の楽しさを子供達や木工未経験のひとに伝えたい気持ちが個人的に体験し始めていたグリーンウッドワーク(以下GW)と繋がってその気持ちが大きくなってきた事です。自分が20代30代のときは全くなかったことでした。いざ教えるとなると勉強し直さなければならない事がいろいろ見えてきて、このGW指導者要請講座の一年をかけて体系立てて指導して貰えるこの講座は大変有意義なものでありました。現在は京都教育大学の美術教員を養成する授業でGWを指導しています。

二つ目の動機は黒田辰秋も魅了したゴッホの椅子や我谷盆などの木工のプリミティブな部分についてもっと知りたいというものでした。こちらはすぐ目に見えて結果が出るという類いのものではありませんが、少し緻密な方に偏りかけている日常の自身の木工活動と上手くフィッティングしていくことを期待しています。

昨年の一年は毎月森林文化アカデミーの講座に行くのが楽しみだったなぁ。環境の良い構内も美濃も気持ちよくて好きになりました。泊まりでの連続講座の夜の木工談義も素敵なおまけとしてついてきます。楽しくて為になるお勧めの講座だと思います。

 

的場亮輔さん

的場亮輔さん 木工所勤務

私は福岡にて造作家具、建具を製作する木工所に勤務しております。普段の仕事ではほとんどが機械を使用した作業であり、手工具だけでモノを作り上げることはまずありません。
しかしグリーンウッドワークは今そこに生えている木を切り、その生木を使ってカトラリーから椅子まで様々な生活用具を手工具だけで作れてしまいます。自然の材料からモノが出来上がるまでの工程をこんなにも楽しく感じることのできるモノづくりは、グリーンウッドならではだと思います。

私がグリーンウッドワークに出会ったのは久津輪先生の福岡での講演を拝聴したのが、キッカケでした。その際に見せてもらった椅子にとても惹かれたこと、そしてその椅子を生木から手道具だけで作るという過程にとても興味を持ち、是非自分もやってみたいと思うようになりました。

指導者養成講座の内容は本当に充実したものでした。グリーンウッドワークの技術はもちろん、国内外の伝統的な木工の情報、道具の手入れから入手方法、講座の運営方法まで本当に幅広く、学ぶことができました。特に驚いたのがナイフの使い方の多様さでした。荒削りから細かい作業までナイフ1本でこんなことまでできるのかという事にとても興奮してしまいました。
そして講座を運営する方々の柔軟な対応、いかに情報をオープンにして、多くの人に楽しんでもらおうかという姿勢など、これからの木工業界の新しいカタチを見せてもらったように思いました。講座の参加者が、木に関する様々なジャンルの専門家が多かったこともとても刺激的で、毎回の講座をとても楽しみにしておりました。

今年度からですが、グリーンウッドワーク指導者養成講座を僕より前に受講した先輩が、福岡の公園で一般の方向けに定期的に講座を開催する予定です(コロナの影響で詳細は未定)。そちらのお手伝いに参加させていただきながら、これから技術の向上と共に、多くの人たちとグリーンウッドワークの楽しさを共有していきたいと思っております。

 

我谷盆講座

器を作る(我谷盆)の回にて 講師の森口信一さん(中央下)と

夜の懇親会

講座のあとの懇親会