森林環境教育専攻
卒業生の進路

関谷 野枝(せきや のえ)

  

 
 プロフィール

  1988年生まれ。東京都出身。大学卒業後は、食品小売り業で働いていたが、
 真冬にも良質なトマトを生産したり、自然のリズムに関係なくエネルギーを使い、
 組織の利益の為に人のニーズに応えていく事に違和感があった。
  東京ではないところで暮らしてみたい想いもあり、3年務めた仕事を辞め2014年
 にアカデミーへ入学(IPコース)。卒業と結婚を機に、長野県松本市の山間部、
 奈川へ移住。最寄りのコンビニまで車で40分程もある山奥。
  2023年から「だいじ屋」という屋号でアウトドアーツアーを中心に行う会社を
 家族で営んでいる。(https://daiji-outdoor.com/)四季に合わせて、山菜取り、
 シャワークライミング、渓流釣り、キノコ狩り、古道歩き、スノーシューなどの
 ツアーを行っている。だいじ屋の事業と共に、自宅を開放し、人の集まる場所に
 なればと活動している。現在、5歳、3歳、1歳の山奥での子育てに奮闘中。

 

 


 アカデミーに入学を決めたキッカケ

  東京で働きながら、都会での暮らしと仕事に常に違和感があった。職場の近くで
 アカデミーの説明会があり参加。東京を出て暮らしたい想いはあったが、田舎暮らし
    を始めるのに学生という肩書から始められるならハードルが低く感じた。実際にアカ
     デミーへ見学に行き、入学を決めた。興味のある学科の現役学生と話せたことが
     大きな後押しになった。

うまれたヒヨコ

    アカデミーの学生生活で印象に残ったこと

       生の現場で金銭的な失敗を気にせずに何にでも挑戦させてもらえること。プレーパーク、
    子どもキャンプ、森のようちえんの現場が学内にあったので、自分で企画してやってみる
    の繰り返しが何度でもやり放題!そのなかでも軸で取り組んだのはニワトリを飼うこと。

       全くの初めてでしたが、入学した春に有精卵をふ卵器にいれてヒヨコを孵しました。
    学内でニワトリを飼わせてもらい、卵からの成長をアカデミーのプレーパークやキャンプに
     訪れる子ども達と見守りました。課題研究では、ニワトリを使って、食べ物と自然の繋がり
     に気付くきっかけになるプログラムを考えました。実験台になってくれる子どもも大人も
      空間も常にそこにありました。先生のお手本もありながら、自分でやってみたい企画があれ
     ば、いつでも挑戦させてもらえました。先生以外にも現場で活躍する凄い人にもたくさん
     出会えたことも大きな財産です。

        子どもキャンプの企画、運営。学内でのプレーパーク、森のようちえんで、子どもと森で
     自由にやりたいこうとをやる!に向き合った日々。子どものやりたいことに寄り添う日々は、
     自分が何をやりたいか、どう生きていたいのかを常に問われる日々でした。振り返って見れ
     ば言えることばかりで、必死過ぎる毎日でした。必死すぎて活かしきれていなかったと思う
      のが正直な気持ちですが。

ヒヨコが生まれる瞬間を見に集まる人たち


     仕事を選んだ理由、今の仕事のやりがい

         私達が何に生かされているかを常に感じ、伝えられるから。私達の暮らす長野県松本市奈川
     は、市街地から1時間程離れた場所にあります。標高1000メートルを超えるこの地域には、
      ここにしかない暮らしがあります。自然環境の厳しさと不便さ、その暮らしぶりは、まさに
      自然と共にあります。山菜やきのこ、熊肉を食料にすること、野菜の育て方や漬物などの保
       存方法。薪で暖をとり冬は-15℃にもなる地で暮らすことは、私達が何に生かされているか
      を常に教えてくれます。その暮らしを知り、伝えることは、都市部に暮らす人たちが感じる
     ことの難しい、私達も生かされているのだという感覚を蘇らせてくれると考えています。

         子どももまだ小さく、ツアーは旦那が主軸でやっている状況ですが、自宅が広いこともあ
     り、人が集まる場所になればと活動しています。屋外で火を焚き、味噌汁やお団子などを作っ
      て食べたりすることが多いです。

人が集まる日


     アカデミーの学びで役に立っていること

    どんな無茶ぶりにも動じなくなりました(笑)

  ニワトリも飼い続けています!先日もマルシェに出店し、その日に合わせて卵が孵るように
 し、通りすがりのお客さん達とヒヨコが出てくる瞬間を見守りました。来年は同じマルシェ
 でそのヒヨコの産んだ卵を売ろうと考えています。

  私の場合、卒業後から、だいじ屋起業に至るまで7年経っています。先生たちには卒業後す
 ぐの就職先や成果をもとめられるかもしれませんが、じんわり常にそこにアカデミーでの学び
 があり、色あせません。

人が集まる日には、味噌汁作ったり、マシュマロ焼いたり、お団子つくたっり

  子育てをする今、迷ったり悩んだときに森のようちえんやキャンプ、プレーパークで出会っ
 た子どもや親御さんたちを思い返すことが多いです。先生という名はないものの、子どもも含
 め生きた先生に沢山出会えるのもアカデミーの魅力です。

  恥ずかしながら、心からやりたい家業を一緒にやってくれる、旦那というパートナーに出会
 ったのもアカデミーの授業です。やりたいことをやる。ありのままの自分になる。がアカデミ
 ーで出来たからこそ、出会えた人なのではないでしょうか。

  たくさんの山間部に住む人たちに会う機会がありました。山奥の暮らしならではの人間関係
 の作り方はアカデミーで教えてもらいました。おかげで、東京都出身だとは信じられない、馴
 染みやすいと近所の方々と仲良くさせてもらっています。

だいじ屋プログラム「シャワークライミング」

 今の仕事で意識していること

   ここ奈川にしかない暮らしとその良さを伝えること。自然と暮らしのつながりをつたえる
 こと。そのために、自分がまずここでの自然とともにある暮らしを楽しみ、やりつくす事。
 その上で、訪れるお客さんにその美しさを伝えられると思います。お客さんが日常に帰った
 時に少しでも普段の暮らしと山での暮らしの繋がりに気が付いてもらえたらと想っています。

  人の集まる空間をつくること。子どもの少ない山間部でも子育ては簡単なことではありま
 せん。子どもに限らず、だれでも集える空間になればとだいじ屋兼自宅のスペースを開放する
 日を設けています。奈川地区に限らず、近隣山間部に住む親子にも声をかけています。子育て
 サークルの運営もしています。子どもがもう少し大きくなったら、自宅で少人数の子どもキャ
 ンプをやれたらとも考えています。

だいじ屋プログラム「キノコ狩りツアー」