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2018年05月21日(月)

グリーンウッドワーク指導者養成講座、すごいメンバーが集まりました!

グリーンウッドワーク指導者養成講座、第1回。すごいメンバーが集まりました。

東は茨城県から、西は福岡県まで。

職種がすごいのです。森林総合研究所の研究員(森林生態学)、市役所の林務課職員、木材商社の営業マン、木工家、スプーン作家、家具メーカー職員、大工専門学校の教員、木造建築の設計士と、森や木に関わるプロフェッショナルの人たちなのです。

身近な森の木を生のまま加工して暮らしの道具を作るグリーンウッドワークが、森や木と人との距離を近づけるきっかけになるという期待をもってご参加いただきました。日本でグリーンウッドワークの普及を始めて12年になりますが、時代が変わってきたと実感しています。

これまでこの講座の第1回目は、削り馬(shaving horse)にまたがって郷土玩具を作ってもらっていたのですが、今年はナイフ1本で箸を削ることにしました。3月にアメリカのジャロッド・ダールさんに教えてもらったばかりのプログラムです。10種類もの異なる削り方で箸を仕上げていきます。

 

それにしても、箸? 日本では箸づくりと言えば、鉋で削るのが普通です。それをあえてナイフで削るのは、2つ理由があります。1つ目は、日本ではナイフの使い方の教育がほとんど行われていないと感じたため。カッターナイフを親指で押して鉛筆を削る使い方しかしたことがない人、多いのではないでしょうか(私自身もそうでした)。実際には、驚くほど多様な使い方があるのです。2つ目は、削り馬などの大掛かりな設備がなくてもグリーンウッドワークを楽しめると知ってもらうことで、敷居がぐっと低くなるため。丸太を割るための斧が1本、そしてナイフが1本あれば、作品ができてしまうのです。

実力派木工家たちも参加しているのでいったいどんな反応が返ってくるかと思いましたが、ナイフワークの面白さ、奥深さを味わってもらえたようでした。

レベルの高いメンバーが集まったので、これまでの指導者養成講座よりもたくさんの情報や技術を盛り込んでいこうと思っています。全力でがんばります!

と同時に、森林、林業、木材流通、木工、建築と、あらゆる分野のプロが集ったので、私が一方的に教えるのではなく、お互いから学んだり、つながったりする雰囲気づくりをしていこうと思います。日帰りではもったいないので、遠くの方には前の晩から泊まってもらい、交流する場を作ろうと思います。みんなで楽しみましょう!私自身も学ぶのを楽しみにしています!

指導者養成講座は全6回。このメンバーが修了すると、日本のグリーンウッドワークはさらに弾みがつきそうな予感です。

そうそう、今回の講座はDIY雑誌のドゥーパが「密着取材」宣言!豊田編集長に直々に取材に来ていただきました。誌面で紹介される予定ですので、そちらもお楽しみに!

 

久津輪 雅(木工・准教授)