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2018年05月21日(月)

平成30年5月18日(金) 施業プランナー第1回上級研修を開催

施業プランナー上級研修は、施業プランナーとして現場で生じた問題を自ら解決できる人材、また、他の施業プランナーの指導ができる人材を養成する研修です。上級研修は、3年で1クールの研修としており、平成30年度は所有者への説明をテーマに3回の研修として開催します。今回は3名の研修生によって5月18日に第1回上級研修としてプレゼンテーション、コミュニケーションをテーマに開講しました。

◆ 講師として京都府立林業大学校客員教授、高知県立林業大学校特別教授、山梨県富士山科学研究所研究員を務める藤野正也氏に講義していただきました。

◆ コミュニケーションとプレゼンテーション(10:00~12:00)
・午前中は、コミュニケーションとプレゼンテーションの講義。
・コミュニケーションとは人間が互いに意思・感情・思考を伝達し合うことで、キャッチボールのように意思を伝え合うものですが、一番大事なことは、「ボールを投げること」と「ボールを取ること」とのことです。コミュニケーションでは相手を受け入れる心が大切で、そのための最大の行為が聴くこと(傾聴)とのことでした。
・言語的コミュニケーションは全体の35%、非言語的コミュニケーションは全体の65%とも言われます。組織においてはピラミッド型(官僚型)やネットワーク型になります。
・コミュニケーションの道具・方法は、手紙・はがき、座談会・勉強会、広報誌等がありますが、年寄りにはインターネットや電子メールという訳にはいきません。正しい日本語で伝えていくことが重要。
・プレゼンテーションとは、自分の意向、アイデア、計画等を整理し、単数(あるいは複数)の人にわかりやすく提示し、その内容について理解・納得してもらう行為とのことです。

・わかりやすいシナリオの作成として、箇条書き方式、PREP方式(ポイント・理由・具体例・ポイントを繰り返す)が効果的。5W2Hを意識し、実施の技術として服装・視線・表情・身振り・声の大きさ、熱意が重要とのことでした。あいさつする・名前を名乗るのは最低限のビジネスマナーであり、森林所有者をはじめ多様な利害関係者との合意形成が必要。森林所有者との間では、双方が意見を出してお互いが納得する条件にした「合意」を取り付ける必要があります。(一方的な同意とは異なる)

・営業マンは、プランを用意し必要な期限に十分に準備して、プランを示し相手の真意を引き出して意見交換し、合意内容を紙に残す。森林施業プランナーも森林所有者に顔を覚えて貰い相手の望んでいることを聞き出すことから始めよとのことでした。

◆ コミュニケーションの演習(13:00~16:00)
1 演習1:キャッチボール
受講者等全員で、新聞紙で作ったボールでキャッチボールし、次に生卵でキャッチボールを行い、無意識のうちに投げる側と受け取る側で注意力が丁寧になっていることを確認できた。

2 演習2:日本語力を鍛える
研修生でペアをつくり、話し手がスライドの絵を書き手に言葉だけで伝え、書き手が後ろを向いてその絵を書いたが、まともな絵が完成しなかった。

3 演習3:「私の好きな木」をテーマにして自己紹介
A4用紙の1枚目に「私の好きな木」を記入、2枚目に「その理由」を記入し、一人2分間で発表した。短時間で自分の考えをまとめて話す体験をし、人の評価ポイントを自ら気付くことで、自分の長所短所を知ることができた。

4 演習4:プランナーにとっての最大の敵は上司と森林技術者であることの意見交換
個別問題は、プランナーが森林技術者と積極的に会話することで解決されてきているとのことから、施業プランナーの業務全般に悩み等を質疑応答のスタイルで話し合った。

◆ 受講生の感想
「森林施業プランナーテキスト改訂版」の一部を執筆されている講師が、このテキストの第9章コミュニケーションに沿って講義していただき、受講生の研修後アンケートでは、少し難しかったが、理解できて時間も適当でした。今後の活用の面でも参考になったという評価でした。